研究課題
本年度は、固体反応法を用いてEu^<2+>添加したα-サイアロン蛍光体の合成、発光特性の評価に関する研究を行ってきた。その研究業績は、1.サイアロン蛍光体の発光強度のEu^<2+>濃度依存性に関する研究、2.サイアロン蛍光体の発光強度のホスト組成依存性に関する研究、3.サイアロン蛍光体発光波長の制御に関する研究、に大別される。以下に各々の研究の概要を示す。1.α-サイアロン蛍光体の発光強度のEu^<2+>濃度依存性0.5-20 mol%濃度のEu^<2+>を添加したα-サイアロン蛍光体を合成し、発光強度のEu^<2+>濃度依存性について測定した。サイアロン蛍光体の発光強度がEu^<2+>添加量に強く依存することを見出した。最適濃度では、ホスト組成に関係なく、ほうぼう7.5mol%であった。この結果には濃度消光が発生することが考えられる。発光強度に強く関連あるエネルギー伝達効率がEu^<2+>濃度増加すると低くなっている。2.α-サイアロン蛍光体の発光強度のホスト組成依存性金属イオン固溶度を0.25【less than or equal】x【less than or equal】1.5としたサイアロンホストに7.5mol%Eu^<2+>をドープしてサイアロン蛍光体を作製した。α-サイアロン単相の範囲は0.25<x<1.25であった。また、x値が小さい蛍光体の粒子が粒成長しにくい、x値が大きい蛍光体の粒子が粗大な塊となりやすいことを見出した。これらの結果により、固溶度x値の増大とともに蛍光体の発光強度が増大し、x値が1.0のどころ発光強度最大値をとり、その後低下することが分かった。発光強度低下の原因としては、粒子の低い結晶性、表面欠陥、粒子サイズの不均一性などを考えられる。3.α-サイアロン蛍光体発光波長の制御広い範囲で発光するα-サイアロン蛍光体の探索を行い、配位環境を制御することにより様々な色の蛍光体を見出した。その中では青色(Ce^<3+>)、緑色(Yb^<2+>)および黄色(Eu^<2+>)サイアロン蛍光体が白色LEDへ応用が可能である。一方、サイアロンホストの最適組成と合成プロセスを検討することによりサイアロン蛍光体の発光波長を制御することができた。
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