研究概要 |
材料減衰測定装置の開発を目的とし、低真空下振動試験中の振幅測定装置を開発した。まず、低真空中で試験可能な振動試験装置を製作し、真空度が材料減衰の測定結果に及ぼす影響を定量的に評価した。その結果、圧力が測定結果に50%以上の影響を及ぼすこともあり、材料減衰特性を測定するためには10^<-3>Pa以下まで減圧する必要があることを示した。次に、レーザードップラ振動計を用い、振動振幅と材料減衰性能の関係を調査した。その結果、低真空中では材料減衰は振幅依存性はないが、大気圧中では振幅に依存することを明らかにした。さらに、一方向強化材、平織り材、三軸織り材の振動試験を実施し、繊維の強化形態が振動特性に及ぼす影響を調査した。その結果、三軸織り材の減衰性能が高いことを示した。 一方、織物複合材料の減衰特性評価法の開発にあたり、有限要素解析プログラムの開発を行った。繊維束の織り構造を考慮した不均質体モデルを導入し,ひずみエネルギ理論に基づき振動減衰モデルの定式化を行い、織り構造が振動特性に及ぼす影響を評価する方法を考案した.この定式化をもとに、有限要素解析プログラムを構築した。提案法の有効性を検証するため、GFRP織物複合材料を対象に計算結果と振動試験結果を比較した。その結果、固有振動数の最大誤差は約5%、モード減衰比は約10%と、提案法の有効性を確認した。また開発プログラムを綾織り、繻子織り、三次元織り構造などに適用し、その材料減衰特性を調査した。その結果、織り構造が材料減衰性能に影響を及ぼすことを明らかにした。
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