研究概要 |
平成18年度は昨年度製作した実用超伝導線材の極低温応力/歪依存性評価装置の立ち上げを行い,4.2K(ケルビン),18T(テスラ)中でニオブ・スズ複合超伝導線材の臨界電流の応力/歪依存性を測定した。 応力印加にはステッピングモータを用いた。モータでナットを直接回すことで応力負荷棒を引き上げ,てこを利用して超伝導線材に引張る。モータ部分は装置本体から取り外し可能とし,モータ取付け部分の設計,製作を行った。これにより遠隔操作による実験が可能となった。 印加応力はロードセルを用いて計測し,歪は電極間の変位をクリップゲージによって計測する方式とした。ロードセルとクリップゲージの信号は動歪測定器に取り込み,そのアナログ電圧出力をデータ収集する。クリップゲージの較正のために,歪ゲージによる直接測定も行う。試料線材に流す電流はシャント抵抗を用いて,試料線材の発生電圧は直流増幅器を通してデータ収集する。したがって,データ収集は5チャンネルの電圧計測となる。これらの電圧の計測ノイズ除去のために1Hzローパスフィルタを自作し,ナショナルインスツルメンツ製DAQ cardと端子台,および計測ソフトLabViewを用いてデータ収集系を構築した。 現在,標準的なニオブ・スズ複合超伝導線材の臨界電流の応力/歪依存性を評価し,文献値との比較を行いながら計測精度の調整を行っている。
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