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2006 年度 実績報告書

単一グレイン有機薄膜トランジスタの形成技術と電気伝導機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17760559
研究機関東京大学

研究代表者

西村 知紀  東京大学, 大学院工学系研究科, 技術職員 (10396781)

キーワード半導体物性 / 有機半導体
研究概要

従来有機トランジスタの駆動力は結晶粒界により律速していると考えられていた。しかし、粒界の状態にも依存するが一概に粒界律速ではないことも示され始めていることから、本年度は有機半導体の単一グレイン化に特化せず、伝導機構としてのチャネルに関する研究を進めた。
まず、チャネルと逆極性の有機半導体材料を電極/有機半導体間に挿入することで、閾電圧を制御できる可能性を示した。p型有機半導体のペンタセン(C22H14)を用いたトップコンタクト型のFETと同構造の電極/ペンタセン間にn型有機半導体のフッ素化ペンタセン(C22F14)を挿入した構造のFETの閾電圧を比較し、閾電圧が正方向にシフトすることが確認された。この原理はゲート電圧が殆ど印加されていない領域で電極より注入された電子がフッ素化ペンタセン内でトラップされ、ペンタセンへのホールの注入障壁を低下させるため、ペンタセン内のホールトラップが速やかに埋められることによりチャネル形成に必要な負電圧量を低下させていると推定される。
また、有機半導体を蒸着形成する基板表面により有機半導体/ゲート絶縁膜界面に生じるトラップ量と共に結晶性が異なることからその相関の重要性が示された。SiO2、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理によりCH3終端したSiO2、PMMA(ポリメチルメタクリレート)塗布SiO2上にp型有機半導体ペンタセン膜、電極を形成しId-Vg、C-V特性を評価したところ電圧に対するヒステリシスが基板処理によって大きく異なることが分かった(ヒステリシス:PMMA<<others)。このヒステリシスの起源は界面、若しくは界面近傍のホールトラップであることが示された。更にPMMA塗布試料は単一の結晶相のみから成り、長距離秩序性も高いことが分かった。
これら研究成果は9月の固体素子会議、3月の応用物理学会において報告することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Reduction of bias-induced threshold voltage shift in pentacene field effect transistors by interface modification and molecular ordering.2006

    • 著者名/発表者名
      C.B.Park, T.Nishimura, T.Yokoyama, K.Kita, A Toriumi
    • 雑誌名

      Extended Abstracts of 2006 International Conference on Solid State Devices and Materials

      ページ: 924-925

  • [雑誌論文] Threshold voltage control in pentacene TFTs by perfluoropentacene stack2006

    • 著者名/発表者名
      T.Yokoyama, T.Nishimura, K.Kita, A.Toriumi
    • 雑誌名

      Extended Abstracts of 2006 International Conference on Solid State Devices and Materials

      ページ: 936-937

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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