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2005 年度 実績報告書

混粒化によるナノ鉄鋼材料の延性改善

研究課題

研究課題/領域番号 17760572
研究機関九州大学

研究代表者

中田 伸生  九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (50380580)

キーワード鉄鋼材料 / ナノ / 混粒
研究概要

すべての構造用金属材料において結晶粒の微細化は、材料の靭性や延性をあまり損なわずに強度を上昇させることのできる有効な強化手段である。特に結晶粒径をナノオーダーにまで微細化すると、疲労特性、遅れ破壊特性、さらに耐食性などの諸特性が著しく向上するため、近年では金属材料の結晶粒をナノ領域にまで微細化する研究が世界的に行われている。しかしながら、結晶粒をナノオーダーにまで微細化した金属においては結晶粒の微細化に伴う強度上昇が延性の低下を招き、最終的には均一伸びがほとんど得られなくなるため、構造用ナノ結晶金属材料の実用化は困難とされてきた。一方,2002年のNature(vol.419)に掲載されたWang.Y.らの研究では、微細な結晶粒の中に粗大な結晶粒をわずかに分散させた混粒(duplex grain size)組織の純銅において、強度が低下することなく延性が格段に改善し、強度-延性バランスが飛躍的に向上することが報告されている。
本研究では構造用金属の中で最も需要の多い鉄鋼材料において、加工熱処理を駆使した組織制御(混粒化)によりナノオーダーの超微細結晶粒中にミクロンオーダーの粗大粒を分散させたナノ混粒組織鋼(Duplex nano-grainsized steel)の作製を図る。そして、得られた試料の機械的性質を調査し、高強度・高延性を有した新たな構造用ナノ鉄鋼材料の開発を目的とする。
本年度は最も実用的な鉄鋼材料の一つであるIF(Interstitial Free)鋼について、工業レベルで利用される結晶粒径(10〜100μm)における混粒化の影響を調査した。その結果、混粒化による強度低下は小さいのに対し、塑性変形挙動は混粒化により大きく変化することを明らかにした。この混粒化による塑性変形挙動の変化は組織が微細になるほど顕著になると予想されるため、ナノ鉄鋼材料の混粒化による延性改善が期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 混粒組織綱の降伏強度と公称粒径の関係2005

    • 著者名/発表者名
      的場理一郎, 名取理嗣, 中田伸生, 土山聡宏, 高木節雄
    • 雑誌名

      材料とプロセス CAMP-ISIJ 18巻・6号

      ページ: 1533

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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