研究概要 |
本年度は、現有の極短パルス高強度レーザー(Ti : SapPhire laser、エネルギー100mJ、パルス幅130fs,繰り返し10Hz)システム、自動掃引ステージ組込型照射装置、飛行時間計測装置を用い以下に示す2つの研究テーマに取り組んだ。 ナノ構造形成機構のモデル化 ナノ構造形成のメカニズムでは、レーザー吸収過程、蒸発過程、ナノ構造形成過程に分けてモデル化を行った。吸収過程のモデルには、一般によく知られている多光子吸収モデルを用いるが、多光子吸収係数は平成17年度の成果から求めた。蒸発過程とナノ構造形成過程には、非線形性を考慮した表面定在波を仮定しモデル化を試みた。また。平成T.O.F質量分析装置を使い、蒸発物の成分やエネルギー分布からモデルの妥当性を検証した。また、絶縁材料のアブレーションメカニズム解明に取り組み、クーロン爆発している可能性を示唆する結果を得た。 機能性付加ナノ材料創成技術基盤の確立 フェムト秒レーザーを用いて鉄、チタンの金属や合金、酸化物にナノ周期構造を形成しナノ材料付与機能技術基盤の確立を目指した研究を実施。チタンの金属や合金、酸化物にナノ構造を形成し、熱伝導や電気伝導、磁性などに特徴のある変調の発現を調べた。また、光学的ナノ周期構造はフォトニック結晶として次世代光デバイスの新材料となる可能性あがる。チタン酸化物はバンドギャップが大きく可視光に対して透明になるので、これを用いた新しい光学素子材料の開発を試みた。また、電界放出型ディスプレーに利用されるカーボンナノチューブカソード電極の電子放出特性の改善を試みた。ナノ構造形成に適したレーザーパルス幅に成形するために、パルス幅モニター(オートコリレータ)を自作した
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