研究課題
本年度は、30kVまで加速可能なガスクラスターイオンビーム装置を用い、アルゴンクラスタービームの小径化や、微細加工処理に最適なガスクラスターイオンビームの条件、クラスターサイズ等の検討を行った。ガスクラスターイオン照射効果のクラスターサイズ依存性に関しては、磁場偏向によるガスクラスターサイズ選別装置を用いた。ガスクラスターイオンのクラスターサイズを増加させると、一原子あたりのエネルギーが低下し(例えば、加速電圧10kV、クラスターサイズ10000の場合、1eV/atom)、照射損傷を大幅に低減した表面加工が可能となることを示した。このように、総加速エネルギーおよびアルゴンクラスターサイズの両方を制御することにより、最終表面処理において損傷の無い加工を実現できる可能性を示した。またガスクラスターイオンビームを、小径アパーチャーを通過させることにより、直径0.1mmのアルゴンクラスターイオンビームを実現した。この小径ガスクラスターイオンビームを、スパッタ蒸着で形成された金薄膜に照射した結果、平均表面粗さ1nm以下の表面を実現し、強力な表面平坦化効果を有することを示した。また、このときの金のスパッタ率(クラスターイオン1個が衝突した際にスパッタされる金原子の数)は、約50atoms/ionであり、単原子アルゴンイオンに比べて6-7倍高い値を示し、高い加工効率を有することが明らかとなった。今後は、3次元形状を形成するための真空中機械駆動機構を検討し、微小径金型加工を行う予定である。
すべて 2005
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