【プロリルペプチダーゼ(POP)とジペプチジルアミノペプチダーゼ(DAP IV)のβ-プロペラドメイン交換による基質認識の変化】 Pseudoxanthomonas mexicana(以前はPseudoxanthomonas nagaokana)由来のPOPおよびDAP IVのβ-プロペラドメイン領域を予測するために、これまでに三次元構造が報告されている既知の哺乳由来酵素とのアライメントを行った。その結果、タンパク質全体としては、それぞれ約30%と相同性が低く、哺乳類酵素のβ-プロペラドメイン領域では、ほとんど相同性はなかった。このことから、β-プロペラドメインはアミノ酸の配列の相同性は低く、その構造は三次元で保存されているのではないか予測された。そこで、微生物および哺乳類由来の多くの酵素でアライメントすることで、β-プロペラドメインを予測しようと考えた。その結果、β-プロペラドメインと推定される領域では相同性はほとんど見られなかったものの、酵素の分子量が類似していたことから、β-プロペラ領域を推定することができた。現在、P.mexicana由来のPOPおよびDAP IV由来のβ-プロペラ領域をPCRで増幅し、その領域の交換ならびに大腸菌での発現を試みている。 さらに、P.mexicana由来のPOPおよびDAP IVの結晶構造解析を試みることとした。大腸菌での酵素の発現後、SDS-PAGEで単一バンドまで精製を行った。昭和大学薬学部・物理化学研究室において、これら精製酵素サンプルを用いて、結晶化条件のスクリーニングを現在行っている。
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