本研究はオホーツク海の調査に用いるための水中移動体を実現するため、水中で流体力のみを利用して移動やホバリングをしていると考えられるマンタ(オニイトマキエイ)をモデルとした生物型水中移動体を開発することを目的とし、実機の開発・実験と数値計算の両面から研究を推進する。 平成18年度は17年度に開発した羽ばたき推進性能測定装置の改良に努めた。測定部を作り変えて不要な応力を排除し、課題であった計測の信頼性向上に成功した。またこれを用いて2次元翼及びテーパ翼を用いた性能測定を行い、これら2つの翼の羽ばたき周波数に対する特性が異なることを見出した。 この羽ばたき推進性能測定装置が行うヒレの動作によって発生する流れ場を計測する手法を検討し、3次元流速の点測定を系統的に行う方法を選択した。この選択に基づき、5孔ピトー管を用いた3次元流速測定装置を設計・製作した。性能評価や測定には至らず、19年度以降の課題として残された。 また、浮力を利用して体軸のピッチ角を変化させ、流体力を利用して体軸方向に潜水・浮上する羽ばたき型水中ロボットを設計・開発した。このロボットは浮力調整装置を本体内前方と後方に2機設置し、これを不平衡に調節することで浮心位置を変化させ、体軸のピッチ角を変化させることを目指している。本ロボットの詳細な性能測定には至らず、これも19年度以降の課題として残された。
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