本研究では、慣性航法装置(INS)の能力を向上させ、計測誤差を軽減させることを目的とする。そこで、プラットフォーム(PF)上にINSを載せ、INSのアライメント中、計測中において、PFをあるINS座標軸中心に回転させ、その回転運動により計測誤差を部分的にキャンセルする。更に、この操作によるINSの出力値に対して適応フィルタを適用することにより、キャンセルされずに出力値に反映されてしまう計測誤差を補償する。 本年度(〜平成18年3月31日)は上記内容を実施するために下記の事項を実施した。 1.搭載したINSへ任意の回転速度、回転方向にて回転運動を与える回転台装置を設計した。駆動部にステッピングモータを適用することにより、高出力を保持すると共に低速回転が実現されることを考えた。 2.同装置の製作を行った。 3.同装置内部にマイコン制御にて駆動部に回転指令を与える制御ユニットを設計した。同制御ユニットへはパーソナルコンピュータからのシリアル入力にて外部より回転指令が与えられる。 4.同ユニットの製作を行った。 5.回転台装置及び制御ユニットを用いて評価試験を行い、所望の回転動作が実現されたことを確認すると同時に、同装置にINSを搭載し、回転運動による計測精度を実験にて確認した。実験の結果、数deg/sec程度の低速回転において良好な計測精度が確認された。
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