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2006 年度 実績報告書

天然黄鉄鉱を用いた残留性有機塩素化合物の解毒化

研究課題

研究課題/領域番号 17760656
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

原 淳子  独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究員 (40374996)

キーワード残留性有機塩素化合物 / 脱塩素作用 / 黄鉄鉱 / 自然減衰 / ディルドリン
研究概要

本研究は残留性有機塩素系化合物の原位置浄化技術の開発を目指し、天然硫化鉱物の有する脱塩素作用に注目した分解能の評価、分解経路、メカニズムの解明を行っている。
前年度クロロベンゼン類を対象とした評価を行った結果、硫化鉱物の脱塩素能力がベンゼンに対する塩素配位にもとづいて大きく異なり、塩素の配位による電子の偏りに依存していることが明らかとなった。今年度は電子配位に偏りがあり、わが国でも地圏環境での残留が懸念されているドリン類の分解能評価および実汚染の深度方向分布調査を行った。ドリン類は戦後わが国でも広く使われた農薬であり、使用が禁止されてから既に40年程が経過しているがその残留性が懸念されている。そこで実際に40年程前にドリン類を含む農薬を使用していた農地において、深度方向にドリン類の残留濃度を調査した。この農地で使用されていた農薬はアルドリン、エンドリンを含むものであったが、現在はディルドリンのみが残留物質として検出された。検出されたディルドリンはアルドリンの副生成物として生成されたものであり、表層から30〜40cm程の深度に分布しておりそれよりも深いところでは検出されなかった。これはディルドリンが水にも不溶で間隙水中にも溶け込まず、拡散せずに留まっていることが明らかであった。今回の調査農地は水田ではなく、長年耕作地として使用される農地であり、土壌中溶存酸素は比較的高く肥沃な環境と言える。これらの現場での地圏環境状況に基づき、さらに黄鉄鉱を用いたドリン類の分解試験を行った。その結果好気条件での分解が確認し、地圏環境と同様にアルドリンの分解は著しく進行したがディルドリンの分解は進行したものの完全な脱塩素にまでは及ばなかった。来年度はドリン類の分解生成物・分解メカニズムの解明を行うと共に、今年度の研究で完全な脱塩素に至らなかったディルドリンの分解を促す微量金属の添加実験を試みる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Long-term persistence of cyclodiene pesticide in soil2007

    • 著者名/発表者名
      Hara J., Kawabe Y.
    • 雑誌名

      Water Dynamics 4 (API conference proceedings) 898

      ページ: 32-35

  • [雑誌論文] Effects of surfactants on chlorobenzene absorption on pyrite surface2007

    • 著者名/発表者名
      Hoa P.T., Suto K., Inoe C., Hara J.
    • 雑誌名

      Water Dynamics 4 (API conference proceedings) 898

      ページ: 12-16

  • [雑誌論文] 黄鉄鉱によるクロロプロパン・クロロプロペンの脱塩素反応2006

    • 著者名/発表者名
      狐塚勝司, 原淳子, 須藤孝一, 井上千弘
    • 雑誌名

      資源・素材学会秋季大会講演要旨集

      ページ: 48

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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