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2007 年度 実績報告書

天然黄鉄鉱を用いた残留性有機塩素化合物の解毒化

研究課題

研究課題/領域番号 17760656
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

原 淳子  産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究員 (40374996)

キーワード残留性有機塩素化合物 / 脱塩素作用 / 黄鉄鉱 / 自然減衰 / ディルドリン
研究概要

本研究は遷移金属を含有する天然黄鉄鉱を電子供与体として用い,難分解性の有機塩素系化合物を化学反応によって脱塩素化し,汚染物質の無害化を図ることを目指した。黄鉄鉱の脱塩素反応は,揮発性の有機塩素系化合物(テトラクロロエチレン,トリクロロエチレン,ジクロロエチレン)に関して有用な効力を有し,クロロベンゼン類およびダイオキシン骨格を有する難分解性有機塩素系化合物に関して構造的に安定な1,2,4,5-(クロロベンゼン類),2,3,7,8-(ダイオキシン類)に配位する塩素の離脱が困難で十分な脱塩素に至らない(初年度の研究より)。そこで電化的な偏りがあり,残留農薬として農地に広域に分布する可能性のあるドリン類について,特に難分解性のディルドリンをターゲットとした分解および分解促進試験を行い,汚染物質の分解速度,共存する微量金属の影響および分解メカニズムの解明を試みた。
難分解性のディルドリンは,黄鉄鉱の適切な表面処理を行うことで嫌気条件下において1週間で約半減し,30日後には初期濃度の0.08%以下まで減少する結果を得た。今回の実験では初期濃度を5ppmという高い値に設定したにも関わらず効果的な分解能が確認されており,実汚染土での適用も容易と判断される。また,これまで黄鉄鉱を用いた分解では系内が酸性環境(pH≒4.2)になってしまうことが問題であったが,微量金属として還元銅を用いることで反応終了後は弱アルカリ性に変化し,分解速度も促進されて解毒化が行われた。反応終了後,ドリン類の有する構造は分解され,分解生成物としては水溶液中にスルファミン酸化合物やコハク酸クロリド等と同定される生成物が確認されており,完全な解毒化が進むことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Transformation of Cblorobenzene by Pyrite under Aerobic Condition2008

    • 著者名/発表者名
      Hoa P.T., Hara J., Inoue C. and Suto K
    • 雑誌名

      Proceedings of Remediation of Chlorinated and Recalcitrant compounds 6(In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Transformation of Cblorobenzene by Pyrite under Aerobic Condition2008

    • 著者名/発表者名
      Hoa P.T., Hara J., Inoue C.and Suto K.
    • 学会等名
      6th international conferenceremediation of chlorinated and recalcitrant compounds
    • 発表場所
      Monterey,California,USA
    • 年月日
      2008-05-20

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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