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2006 年度 実績報告書

希薄廃水からの有害元素の選択除去法の確立を目的とした動的シミュレータの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17760657
研究機関早稲田大学

研究代表者

所 千晴  早稲田大学, 理工学術院, 助手 (90386615)

キーワード環境修復技術 / 表面・界面
研究概要

前年度に引き続き、廃水中の希薄有害イオンの効率的な除去技術の確立を目指し、廃水処理における希薄有害元素の共沈除去メカニズムの解明を試みた。我々は過去の検討で、従来「共沈現象」と称されてきた希薄有害イオンの除去に関する一連の実験事実は、Fe(OH)3またはAl(OH)3への表面吸着現象と捉えることで説明できることを報告した。一方で、水酸化物への吸着現象は、表面錯体モデルによって良好に再現できることが知られている。しかし、過去に報告されている表面錯体モデルの検討例の多くは、別途生成させた酸化物表面に対するものであり、本研究で対象とする廃水処理システムのように、共存イオンが存在する中で生成する非晶質状の水酸化物とは表面特性が異なると考えられる。イオン強度、電解質、反応時間等の実験条件を等しくした、As(V)、Cr(VI)、Se(VI)、Fと水酸化第二鉄塩との共沈実験と、表面錯体モデルを用いた解析結果とを比較したところ、Cr(VI)、Se(VI)、Fでは両者の整合性が良好であったのに対し、As(V)は実験結果の方が解析結果よりも除去量が著しく大きい傾向が得られた。また、As(V)とCr(VI)において、予め生成したGoethite粒子への吸着実験を別途行ったところ、Cr(VI)では共沈実験と吸着実験との結果に大きな差異が見られなかったのに対し、As(V)では両者に大きな差異が見られた。さらに、両者の共沈実験より吸着等温線を作成したところ、Cr(VI)ではラングミュア型を示したのに対し、As(V)ではS字型を示し、両者の共沈メカニズムが異なることが示唆された。As(V)はCr(VI)に比べ、水酸化第二鉄に対する親和性が大きいため、吸着に加え表面沈殿等が生じているものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 含鉄酸性坑廃水における常温下でのマグネタイト生成に関する定量的評価-含鉄坑廃水処理における常温フェライト法の適用(第1報)-2006

    • 著者名/発表者名
      所千晴, 佐々木弘, 高尾大
    • 雑誌名

      資源と素材 Vol.122 No.4/5

      ページ: 155-162

  • [雑誌論文] sludge (HDS) recycling method-optimum neutralization process of horobetsu AMD (first paper)-2006

    • 著者名/発表者名
      G.C.Badulis, Chiharu TOKORO, Hiroshi SASAKI
    • 雑誌名

      資源と素材 Vol.122 No.8

      ページ: 406-414

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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