研究概要 |
今年度は、堆肥製造施設由来試料(堆肥および液肥)からの薬剤耐性微生物および薬剤耐性遺伝子の検出の基礎として、培養法による薬剤耐性微生物検出方法の検討を行うとともに、テトラサイクリン耐性遺伝子検出のためのプライマー設計ならびにPCR増幅条件の検討を行った。 テトラサイクリン耐性遺伝子配列が挿入されたプラスミドベクター(pBR322)および本プラスミドを形質転換により導入したE.coli JM109/pBR322を、市販コンポストに対してそれぞれ段階的に添加し、各試料からPowerSoil DNA isolation kit(MO BIO Laboratories, Inc)を用いたDNA抽出を行った。このDNA試料を鋳型として、設計したプライマーペアを用いたPCR反応を行い、最適な核酸検出条件を決定したうえで、試料湿重量当たりの検出可能微生物量/核酸量を明らかにした。また、同様にpBR322およびE.coli JM109/pBR322を添加した河川水に対しても検討を加え、水試料からの検出方法・条件を決定した。さらに、E.coli JM109/pBR322添加済みコンポスト試料からテトラサイクリン添加LB寒天培地を用いた平板培養法による薬剤耐性大腸菌の検出を確認するとともに、R2A寒天培地を用いた平板培養法により琵琶湖・淀川水系から採取した環境水試料中の従属栄養細菌の存在量を、DAPI蛍光染色法により全微生物量をそれぞれ明らかにした。
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