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2006 年度 実績報告書

マイクロカロリメータアレイを用いた軟X線顕微鏡受光素子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17760689
研究機関東京大学

研究代表者

大野 雅史  東京大学, 大学院工学系研究科, 特任助手 (90391896)

キーワード超伝導 / マイクロカロリメータ / シングルフォトン / 軟X線顕微鏡
研究概要

放射線入射による温度上昇を超伝導転移領域中の急峻な温度抵抗変化を用いて高感度に検出する超伝導転移端マイクロカロリメータ(TES : Transition Edge Sensor)は軟X線シングルフォトンを高効率かつ優れたエネルギー分解能で検出しうるスペクトロメータであり、白色軟X線を用いた透過型X線顕微鏡の受光素子にこのTESを適用することで、優れた解像度と共にエネルギー吸収端計測から元素・分子分布解析をもリアルタイムに行える動的生理状態観察システムの実現が期待される。本研究では、軟X線顕微鏡受光素子に適用可能なイメージング検出器の実現を目指し、TESピクセルのアレイ化及び信号読み出し技術の開発を進めた。今年度はイリジウム超伝導薄膜製のTESピクセルアレイを作製し、全ピクセルに並列バイアスを印加して各ピクセルからの電流をまとめて一つのSQUIDアレイで信号増幅を行う独自のTESアレイ信号読み出し法において入射ピクセル特定の精度を向上させる手法を構築した。本手法では各ピクセルでの熱特性の微妙な違いにより生じる信号波形の変化を検出し入射ピクセルを特定するものである。各ピクセルを小型化ししかも大きさをピクセル毎に意図的に変化させた素子を試作し、このアレイ素子をSPring-8及びKEK-PFにて得られる単色X線マイクロビーム(径50μm以下)を用いて走査しピクセル毎の詳細な信号応答を測定したところ、応答波形が入射ピクセル毎に変化していることが確認され、ゆえに各ピクセル形状を系統的に変化させることで意図的に波形を制御することに成功した。本研究で開発された波形制御手法は軟X線顕微鏡受光素子として適用しうるイメージングTESアレイ素子において読み出し可能なピクセル数を飛躍的に増大させるために必要不可欠かつ最も合理的な手法と考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Low energy particle detector using a superconducting transition edge sensor2007

    • 著者名/発表者名
      Masashi Ohno
    • 雑誌名

      IEEE Transaction on Applied Superconductivity (in press)

  • [雑誌論文] 低温検出器-TES(Transition Edge Sensor)-2007

    • 著者名/発表者名
      大野 雅史
    • 雑誌名

      平成19年電気学会全国大会講演論文集 7-S9

      ページ: 16-19

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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