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2006 年度 実績報告書

鳥捕食者と餌昆虫の紫外線知覚能が円網性クモの生態に与える影響について

研究課題

研究課題/領域番号 17770020
研究機関東京経済大学

研究代表者

中田 兼介  東京経済大学, 現代法学部, 助教授 (80331031)

キーワードクモ / 円網 / 捕食者 / 紫外線 / 反射特性 / 環境光
研究概要

昨年度に引き続き円網性クモの体色、隠れ帯、造網場所の環境光の周波数成分を種毎に計測した。このデータと昨年度のデータを統合し、個々の造網場所の環境光下において体色と隠れ帯が反射する光の周波数成分を計算し、ゴミグモ、ギンメッキゴミグモ、ヨツデゴミグモ、ミナミノシマゴミグモ、ナガコガネグモ、コガタコガネグモの間で比較した。その結果、体色と隠れ帯が反射する光は、ナガコガネグモで最も大きく異なり、最も目立っていた。コガタコガネグモ、ミナミノシマゴミグモでは違いの程度はナガコガネグモの半分程度であった。その他の種ではほとんど異なっておらず、隠れ帯がクモの体の輪郭を曖昧にする効果を持つと考えられた。
ゴミグモを実験室で造網させ、餌を与えて横糸密度(網の見えやすさに関係する)の変化を観察したところ、有意な変化は見られなかった。また、サガオニグモに捕食者の翅音を真似た音叉刺激を与え横糸密度の変化を観察したところ、ここでも変化は見られなかった。一方、隠れ帯の面積は有意に大きくなった。隠れ帯の面積は餌を与えても変化しなかった事から、この種においては、隠れ帯が対捕食者機能として重要である事が示唆された
また、ゴミグモを用いて野外での餌捕獲をビデオ撮影し、餌と捕食者との遭遇頻度について定量化した。2620分の総撮影時間に対して、餌が網に衝突した回数は87回(約30分に一回)、そのうち捕食に成功した回数は47回だった。捕食者による攻撃は二回観察され、いずれも失敗した。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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