研究課題
1)DNAメチル化酵素NtMET1タバコより維持型メチル化酵素と考えられるNtMET1を単離した。植物のDNAメチル化機構を明らかにするために、NtMET1について機能解析をおこなった。過剰発現株を作成し解析した結果、形態形成の異常が観察された。詳細な観察から、細胞分裂の異常が原因と考えられた。そこで細胞分裂期におけるNtMET1タンパク質の機能について解析を行うこととした。GFP融合タンパク質をタバコBY-2細胞において発現させ、細胞周期の各ステージにおける局在を観察した。その結果NtMET1は、メチル化DNA結合タンパク質MBD5と、細胞内局在の変化において同様の挙動を示した。そこでMBD5タンパク質およびMBD5タンパク質相互作用因子について、NtMET1との関連を調べた。Pull-down法による解析の結果NtMET1は、Ranタンパク質を介してMBD5と複合体を形成する可能性が示唆された。以上の結果をAnnals of botanyに報告した。2)メチル化DNA結合タンパク質MBD5メチル化されたDNAを認識し、結合するタンパク質として、本研究室において同定されたMBD5について、その作用機序をあきらかにするため、相互作用因子の探索をおこなった。酵母Two-hybrid法によるスクリーニングの結果、核輸送に機能するRan3との相互作用が示唆された。また、Pull-down法によりin vitroでの相互作用を確認した。核内におけるこの両者の相互作用について解析を進めた。細胞周期のステージ特異的な両者の局在は一致した。また、FRET法により物理的な相互作用を検証した。以上の結果をAnnals of botanyに報告した。
すべて 2006 その他
すべて 雑誌論文 (2件)
Annals of botany 98
ページ: 1179-1187
Annals of botany