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2005 年度 実績報告書

昆虫による空間認知の神経機構:カマキリにおける餌情報の脳内表現

研究課題

研究課題/領域番号 17770061
研究機関九州大学

研究代表者

山脇 兆史  九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (80325498)

キーワード神経科学 / 視覚情報処理 / 空間認知 / 運動検出 / 昆虫
研究概要

昆虫における空間認知の神経機構を解明するために、本年度は下降性ニューロンにおける空間情報のコード化および伝達様式を調べた。研究材料として、カマキリを用いた。
脳と胸部神経節をつなぐ神経繊維の束である腹髄から、複数の下降性ニューロンの動き刺激に対する電気的応答を細胞外記録した。その結果、腹髄からの記録はスパイクの形から3、4種類のユニットに分離することができた。ユニットの視覚刺激への応答は大きく二種類にわけられた。
(1)DS(direction-sensitive)タイプは方向選択性を示し、ある特定の方向の動きに興奮し、反対方向の動きで抑制された。また、視野全体をカバーするような大きな動きによく反応した。このタイプは、昆虫自身が移動する時に生じるオプティックフロー刺激の情報を伝達することで、ターンや移動方向の制御に関与すると考えられる。
(2)LS(looming-sensitive)タイプは物体が接近する刺激(looming)に強い応答を示した。後退刺激や点滅刺激にはあまり応答しなかったことから、急速に拡大するイメージに反応していると推測された。このタイプは、物体の衝突のタイミングをカマキリに知らせる役割を持ち、回避行動に関与すると考えられる。同様な衝突検知ニューロンは、バッタで報告されている。
LSタイプの中にはカマキリの餌となる昆虫と同程度のサイズの正方形に強く興奮するものがあった。このユニットはSF(small-field motion-sensitive)タイプとして別に分類するのが適切な可能性もある。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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