研究概要 |
ヌクレオチド除去修復において傷害認識に関わるUvrAタンパク質は単独では結晶化しづらく、UvrBタンパク質と高い親和性で複合体を作ることが分かっているので、UvrAB複合体での結晶化スクリーニングを行った。現時点までに回折データの取得には至っていないが微結晶らしきものが得られた。 傷害の両側のDNA鎖を切断するヌクレアーゼであるUvrCタンパク質について、Thermus thermophilus HB8由来のUvrCではタンパク質中に鉄分子が含まれることがICPにより明らかになった。さらに、鉄イオン存在化でUvrCの活性が上昇することが分かった。X線結晶構造解析により鉄結合部位や酵素活性部位などを明らかにするために、UvrCをいくつかのドメインに分割し、ドメインの発現プラスミドの設計を行った。 TRCFについて斜方晶系の結晶が得られ、SPring-8での回折パターンの測定により格子定数がa=76.63 Å,b=141.45 Å,c=310.03 Å,α=β=γ=90°であることが分かった。V_mの値から非対称単位中含まれるTRCFは2〜4分子あると推定できる。 ヌクレオチド除去修復はUV照射などによって生じるピリミジンダイマーを修復の対象とする。UV照射によってヌクレオチド除去修復に関連する遺伝子を含め、T.thermophilus HB8の全遺伝子がどのような転写制御を受けるかを調べるために、DNAchipを用いてUV照射有りと無しの条件で遺伝子発現量の比較を行った。
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