研究課題
<テールドメインのダイニンモーター活性への寄与>前年度の研究で、ダイニンのテールドメインがATP加水分解サイクルに対応して動くことを明らかにした。今年度はこの研究を発展させ、テールドメインの動きと運動活性の関連について研究を行った。具体的には、遺伝子組換えダイニンと運動活性評価系を組み合わせることで、以下の点を明らかにした(投稿論文として報告)。1.テールドメインはダイニンの運動活性に重要な役割を果たす。この動きがいわゆるパワーストロークに相当すると思われる。2.このパワーストローク以外に、遅い運動を担う第二の分子機構が存在する。<微小管結合部位とATP加水分解部位との間の分子内情報伝達メカニズム>ダイニンのATP加水分解サイクルと微小管結合・解離サイクルについて、速度論的解析を行い、その相関を部分的に明らかにした(投稿中)。また、この2つの機能部位間の情報伝達メカニズムを明らかにする目的で、変異体解析を進行させている。<ダイニンモータードメインの結晶化>本年度は約2万条件で結晶化の検討を行ったが、現時点では構造解析可能な結晶を得ることには成功していない。変異体を導入するなど新たなアプローチを組み込みつつ、結晶化への努力を継続している。
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すべて 雑誌論文 (2件)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103
ページ: 117736-17740
J.Struct.Biol. 156
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