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2007 年度 実績報告書

ビブリオ菌べん毛モーターにおける固定子のトルク産生に関する解析

研究課題

研究課題/領域番号 17770128
研究機関信州大学

研究代表者

薬師 寿治  信州大学, 農学部, 准教授 (30324388)

キーワード細菌 / 生体エネルギー変換 / 分子間相互作用 / 分子モーター / 生体超分子構造 / べん毛モーター / ビブリオ菌 / 膜タンパク質
研究概要

細菌はスクリューとしてはたらくべん毛繊維を回転させて泳ぐことができる。べん毛の根本にあるべん毛モーターは,高性能の回転型分子モーターである。イオンチャネルでもある固定子は回転子の周りを取り囲み,その中を共役イオンが透過することによって生じる構造変化が回転子を回転させると考えられている。ビブリオ菌のべん毛モーターはNa^+が共役イオンである点でユニークである。固定子の作用を素過程に分け,特に本年度は「回転子との相互作用」に着目して解析を行った。固定子を構成するPomA/PomBのうち,PomA蛋白質が回転子と相互作用すると考えられている.しかし,H^+共役型モーターで示されている実験をビブリオ菌で行っても,PomAと回転子蛋白質との相互作用は曖昧なままである。ここでは,今まで注目されてこなかったPomAのC末端領域に着目して変異体を作製し解析した。
はじめに,Na^+共役型のPomA相同体で保存されており,かつH^+共役型の相同体で保存されていない荷電アミノ酸残基を検索した。8つの荷電アミノ酸残基を見いだし,その荷電を逆転させるような変異を導入し機能を解析した。そのうち3つの変異体が機能を失っており,そのうちの1つが別の固定子蛋白質PomBとの相互作用が著しく弱くなっていた。残り2つの変異体は,野生型に比べPomBやPomA自身との相互作用に顕著な差異を持っていなかった。これらの変異体が回転子との相互作用に欠陥を持っている可能性があり,今後の解析が必要である。PomAのC末端領域が重要な役割を持っていることが明らかとなり,この領域と回転子蛋白質との相互作用を調べるための,サプレッサー変異の解析や回転子蛋白質とめ相互作用解析への基礎を整備することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Crystallization and preliminary X-ray analysis of MotY,a stator component of the Vibrio alginolyticus polar flagellar motor2007

    • 著者名/発表者名
      Shinohara A, Sakuma M, Yakushi T, Kojima S, Namba K, Homma M, Imada K.
    • 雑誌名

      Acta Crystallogr Sect F Struct Biol Cryst Commun 63

      ページ: 89-92

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The bidirectional polar and unidirectional lateral flagellar motors of Vibrio alginolyticus are controlled by a single CheY species2007

    • 著者名/発表者名
      Kojima M, Kubo R, Yakushi T, Homma M, Kawagishi I.
    • 雑誌名

      Mol Microbiol. 64

      ページ: 57-67

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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