研究課題
平成17年度は、精子と卵子の融合時のIzumoの作用機序の解析を行うために用いる遺伝子改変動物を作製した。Izumoは細胞外に免疫グロブリン様ドメインを1つもつ、1型の膜型タンパク質である。このドメインは、ヒト、マウス、ラットのIzumoにおいて高度に保存されており、特にドメイン内でS-S結合を形成する2つのシステインと、1つのN結合型糖鎖付加配列が完全に保存されていた。このことから、ドメイン内のこれらの配列は、Izumoの機能に重要な働きをするものと考えられる。免疫グロブリン様ドメインの機能とN結合型糖鎖の融合への寄与を調べるために、免疫グロブリン様ドメイン内の2か所のシステインをセリンに、アスパラギンをグルタミンにそれぞれ変異させたcDNAを精巣特異的遺伝子であるカルメジンのプロモーター制御下になるような発現ベクターを構築し、それをトランスジーンしたトランスジェニックマウスを作製した。ウエスタンブロット解析によりIzumoの変異タンパク質の発現を確認後、これらトランスジェニックマウスは、Izumoノックアウトマウスと交配させることで、Izumoノックアウト-Izumoトランスジェニックになるような個体を得た。次年度は、これらダブルトランスジェニックマウスの雄を用いて、自然交配、体外受精、融合解析によりIzumoの機能性ドメイン構造の詳細を明らかにしたい。
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J Immunol 175(5)
ページ: 3252-3261