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2007 年度 実績報告書

コオロギの歌の進化に及ぼすメスの選好性の影響

研究課題

研究課題/領域番号 17770204
研究機関東京大学

研究代表者

角 恵理  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 研究拠点形成特任研究員 (30396840)

キーワードエンマコオロギ属 / エゾエンマコオロギ / courtship song / 音声プレイバック実験 / メスの選好性 / 歌の進化
研究概要

コオロギのメスが、オスの歌に対して示す潜在的、前適応的な選好性の存在を明らかにすることを目的として、日本列島に分布するエンマコオロギ属3種のメスに対して音声プレイバック実験を行った。その結果、研究対象としているエンマコオロギ属3種のうち、エゾエンマコオロギのメスにおいて、近縁他種であるエンマコオロギやタイワンエンマコオロギのcourtship songに強くひきつけられるという反応が明らかになった。エゾエンマコオロギは、分子系統解析の結果、対象とする3種のうち最も分岐が古いと考えられる種である。したがって、派生的であると考えられるエンマコオロギ、タイワンエンマコオロギのcourtship songにひきつけられることは大変興味深い。エゾエンマコオロギとエンマコオロギは分布が重複しており、共存域での種間関係および聴覚システムの変化の動態を調べることにより、コオロギの歌の進化の考察に近づくことができると考えられる。
courtship songはチャープ部分とトリル部分という2つの部分から構成される。エンマコオロギのcourtship songのチャープ部分には自種であるエンマコオロギのメスが、トリル部分にはエゾエンマコオロギのメスがひきつけられることが明らかになった。部分によってひきつけられ方が異なることは、これら2つの部分が独立に進化の選択圧を受けてきた可能性を示唆するものであろう。また、通常、自種の認識に重要とされるのはチャープ部分であり、付加的と考えられるトリル部分に他種であるエゾエンマコオロギがひきつけられることは、これらの種群でのメスの聴覚特性の進化および歌の進化を考える上で大変興味深い現象である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] コオロギの鳴き声の地理的変異2007

    • 著者名/発表者名
      角(本田)恵理
    • 雑誌名

      「昆虫記」刊行100年記念日仏共同企画ファーブルにまなぶ

      ページ: 44-47

  • [学会発表] コオロギの歌による交配前隔離2008

    • 著者名/発表者名
      角(本田)恵理
    • 学会等名
      第52回日本応用動物昆虫学会
    • 発表場所
      宇都宮大学
    • 年月日
      2008-03-28

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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