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2006 年度 実績報告書

ニホンザルにおける個体群動態:密度効果と群間・群内競合の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17770211
研究機関京都大学

研究代表者

杉浦 秀樹  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80314243)

キーワードニホンザル / 個体群動態 / 密度効果 / 群間競合 / 群内競合
研究概要

ニホンザルの個体数の増減に与える密度効果ならびに、群間・群内の競合の強さと個体群密度との関連を検証するために、以下の研究を行った。
1、頭数調査
屋久島・西部海岸域に生息するニホンザル10群を対象に頭数調査を行い、群れごとの個体数の変動を把握した。うち、7群では、成体メスは個体識別しており、個体レベルでの詳細な個体群パラメーターを調査することができた。残りの3群は、個体レベルでの調査が困難であったため、数回のカウントを行い、群れの性・年齢別の頭数、出産数を推定した。また、群れの識別に必要な個体識別のためにビデオ撮影も行い、データとして整理した。また、屋久島西部海岸地域の広域調査を行い、出産率の推定を行った。両者の結果は、良く一致しており、今年は、全体的に見ると高い出産率であったが、群れごとのばらつきもかなり大きいことが分かった。
また、20年間に渡って調査の続いている金華山島でも調査を継続し、個体の消失、出産、生存に関して、個体レベルのデータを収集した。
2、個体群密度の推定
集中的な調査の行われている群れの行動域をGISを用いてデジタル化した。このデータを用いて、各群れの行動域を算出し、上記の頭数調査のデータと合わせて、個体群密度の推定を行った。その結果、過去の大量死の直後に、急速に個体群密度が上昇したことが明らかになった。このことは、密度低下の反応として、出産率が上がったことに加えて、周囲からの群れの流入があったことを示唆している。なお、この結果は日本生態学会大会で発表した。
3、データベースの構築
これまで蓄積された、個体数に関するデータをデータベースに入力した。このデータを用いて、過去10年間の個体数の変動を数値化した。特に大量死の後、出産率の高い年と低い年が交互に現れ、それが現在まで続いていることが分かった。このような振動は、屋久島のニホンザル個体群では知られていなかったもので、興味深い。なお、この結果は日本生態学会大会で発表した。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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