研究概要 |
3次元CGの発展に伴い,景観計画・景観アセスメントの際,さまざまな景観可視化・予測システムが,専門家や非専門家たちの意思決定や代替案の検討に重要な技術として利用されつつある。しかし現在利用されている景観可視化・予測システムは,それぞれ独自のデータ形式を持っているため,いったん作成されたデータから情報を取り出すことは困難であり,システム間においてのデータの相互利用および再利用が容易ではないのが現状である。したがって,景観可視化・予測システムの間で整備されたデータの相互利用を容易にするための景観情報の共通化,汎用化が求められている。そこで,本研究では、XML(Extensible Markup Language)による景観情報の標準化とその標準化案による景観可視化システムの開発を行った。 まず,本研究では、CAD用ソフトで景観を可視化するために必要とされる景観データを検討した。そのため、景観設計用ソフトであるAMAPで千葉大学松戸キャンパスを対象とした景観可視化を行った。なお,GISソフトであるTNTmips(オープンGIS社)を用いて千葉大学松戸キャンパスの3次元景観データを作成した。次に,TNTmipsのスクリプト言語であるSMLで作成した景観データをXMLへ変換するためのプログラムを開発し,3次元景観データをXMLへ変換した。次に,XMLで記録した景観データを,XMLの関連言語であるXSLT(Extensible Style-sheet Language Transform)を利用してweb3DテクノロジーであるVRML(Virtual Reality Modeling Language)プログラムへ変換するためのプログラムを開発した。今後,開発した景観可視化システムを用いて、多数の人々がいつどこからでも自由に参加し、多視点から景観を評価できる景観評価システムを構築する予定である。
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