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2005 年度 実績報告書

果樹の越冬芽休眠覚醒に関与する細胞周期関連遺伝子の発現制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17780023
研究機関京都大学

研究代表者

山根 久代  京都大学, 農学研究科, 助手 (80335306)

キーワード休眠 / 細胞周期 / 細胞分裂 / 自発休眠 / 冬芽
研究概要

温帯果樹は芽を分化させたのち,翌春の生長開始期まで休眠状態で越冬する.越冬芽は,一定期間の低温に遭遇することにより自発休眠から覚醒し,好適条件下で発芽可能な状態となる.果樹の休眠現象の調査研究の多くは,休眠覚醒期の生理と人為的制御法の検討に向けられており,休眠現象の分子レベルでの実態は明らかとなっていない.休眠芽が生長停止状態であると仮定すれば,分化後の芽の内部では分裂活性が抑制され,休眠覚醒期にその抑制が解除されるような何らかの機構がはたらいていると考えられる.本研究では,果樹の越冬芽における分裂活性の変動に関する知見を得るため,ウメを材料に,分化後の花芽や葉芽における分裂活性の季節的推移の調査を試みた。ウメ‘南高'と早期開花品種‘二青梅'を供試し、Real time PCRにより、細胞周期関連遺伝子であるサイクリンB1とヒストンH4遺伝子の相対的な転写量の季節的変動を測定した.その結果、‘南高'葉芽においては,サイクリンB1の発現レベルは萌芽2ヶ月前から上昇することが明らかとなった.早期開花品種である‘二青梅'では発現レベルの上昇が11月からみられた.一方,‘南高'花芽における転写量の増加は満開の約2ヶ月前にみられ,約1ヶ月前にピークに達し、その後減少した.‘二青'でも同時期にそのような傾向がみられた.また、ヒストンH4遺伝子についても同様な発現変動がみられた.いずれも、転写量が増加する時期は,水挿しした枝の加温後の開花率や萌芽率を指標とした自発休眠が覚醒していく移行段階と同時期であると考えられた.すなわち,自発休眠の覚醒と他発休眠への移行と、時期を同じくして,花芽や葉芽の分裂活性が上昇する可能性が示唆された.越冬芽は自発休眠覚醒時に細胞周期サイクルを活発化させる準備を完了しており、気温上昇とともに細胞分裂を活発化させている機構の存在が示唆された。また細胞周期関連遺伝子の転写量をモニターすることで、芽が自発休眠・環境休眠のどの段階にあるのかを推定でる可能性が示された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Differential expression of dehydrin in flower buds of two Japanese apricot cultivars requiring different chilling accumulation for bud break2006

    • 著者名/発表者名
      Yamane H., Y.Kashiwa, E.Kakehi, K.Yonemori, K.Hayashi, K.Iwamoto, R.Tao, I.Kataoka
    • 雑誌名

      Tree Physiology (In press)

  • [雑誌論文] A coupled yeast signal sequence trap an transient plant expression strategy to identify genes encoding secreted proteins from peach pistils2005

    • 著者名/発表者名
      Yamane, H., S-J.Lee, B-D.Kim, R.Tao, J.K.C.Rose
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Botany 56号

      ページ: 2229-2238

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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