潜在するテルペノイドの発掘:既にMycobacterium chlorophenolicumからC_<35>環状テルペノイドを見出していた。直鎖状イソプレノイドが直接環化して生合成されたと考えれるC_<35>環状テルペノイドの報告例は未だなく極めて新規性の高い発見となった。今年度、他のMycobacterium属細菌のテルペノイド探索を行った。その結果、新たに2種類のC_<35>環状テルペノイドと脂肪酸が結合したC_<35>直鎖状テルペノイドを見出し、構造決定することができた。また、Mycobacterium chlorophenolicumのC_<35>環状テルペノイド生産量と培養時間の関係を調べたところ、定常期から生産量が急激に増加することが分かった。それに加えて、MS解析からC_<35>環状テルペノイドと考えられる未知化合物が定常期から新たに生産されることが判明した。現在、この化合物の単離・精製を検討している。 生合成研究:C_<35>環状テルペノイドが直鎖状イソプレノイドから直接環化して生合成されることの実験証拠を得るため、C_<35>直鎖状テルペノイド-P-マンノースをM.smegmatisから単離し、加水分解後、2リン酸体を得て、無細胞抽出液と酵素反応を行うことを計画した。現在、加水分解の条件検討の段階まで進んでいる。また、^<13>Cラベル体グルコースを用いたC_<35>環状テルペノイドの標識実験を行ったところ、MEP経路によって生合成されることを明らかにすることができた。 遺伝子クローニング:C_<35>テルペン環化酵素の遺伝子クローングを開始した.まず、プレニストランスフェラーゼを縮重プライマーを用いたPCRによってクローニングし、染色体歩行によってクラスター遺伝子を明らかにし、環化酵素を見出す方法を計画した。プレニストランスフェラーゼ遺伝子の取得まで達成した。
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