研究課題
食欲抑制作用を有する消化管ホルモンコレシストキニン(CCK)の分泌を強く刺激する食品ペプチドを探索するため、種々の食品からからペプチド画分を調製し、消化管内分泌細胞株STC-1からのCCK分泌活性を比較したところ、ブタ肉ペプトン、ツル豆ペプトンに強い活性があることを見いだした。これらのペプシン処理時間を長くすると活性は低下したことから、ペプチド成分にCCK放出活性があることが確かめられた。50%アセトニトリルによる分画を行ったところ、可溶性画分に活性が濃縮された。これにより、ブタ肉ペプトン、ツル豆ペプトンのアセトニトリル可溶性ペプチドに強いCCK放出活性があることが明らかとなった。我々のこれまでの研究により、食欲抑制作用が報告されているβコングリシニン加水分解物を陽イオン交換樹脂により分画したところ、アンモニア溶出画分にCCK放出活性が濃縮され、重量当たり3〜5倍の増加を示した。これにより、βコングリシニン加水分解物の塩基性画分に強いCCK放出活性があることが示され、この濃縮方法を確立した。これまでの研究においてCCK産生細胞株STC-1からのCCK放出を刺激することが明らかとなったα-カゼインを、ペプシン消化(10分間)すると、CCK放出活性は消失したことから、α-カゼイン中のペプシン感受性の構造がSTC-1細胞に認識されることが明らかとなった。受容体の候補と考えられるα-カゼイン結合タンパクを、ラット小腸刷子縁膜より分離し、その内部配列を解析したところ、膜酵素、細胞骨格タンパクなどが同定された。STC-1細胞からのα-カゼイン結合タンパクの分離、ならびに再現性を確認し、同定されたタンパクが、α-カゼイン受容体として機能するかどうかを検討する。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)
American Journal of Physiology, Cell Physiology. 290(3)
ページ: C785-C792