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2006 年度 実績報告書

島嶼性希少鳥類の遺伝的構造解析を応用した島嶼林ネットワークの評価

研究課題

研究課題/領域番号 17780130
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

関 伸一  独立行政法人森林総合研究所, 九州支所, 主任研究員 (50343801)

キーワード島嶼林 / 生息地ネットワーク / 遺伝的構造 / カラスバト / アカヒゲ
研究概要

島嶼性希少鳥類カラスバトおよびアカヒゲの遺伝的構造解析を行うことにより、鳥類の生息地ネットワークとしての嶼林を保全する必要性について検討するため、DNA分析用サンプルの収集とその分析を進めた。カラスバトについては、南西諸島および五島列島などの西日本でサンプル(脱落羽毛)の野外採集を進めるとともに、各方面への協力依頼を行って日本海地域や伊豆諸島のサンプルを収集した。このうち、西日本の6集団で収集した104サンプルについてミトコンドリアDNAコントロール領域ドメイン1を含む部分約550塩基対を増幅し、436塩基の配列を決定した。これらのサンプルを分析した結果、西日本のカラスバトでは24のハプロタイプが確認された。西日本の6集団間でのこれらハプロタイプの分布様式を解析したところ、集団間で遺伝的分化が小さく(Φ_<ST>=0.00-0.20)、広汎な島嶼群に生息する集団間でも遺伝的交流が保たれていることが示唆された。アカヒゲについては、南西諸島および男女群島で繁殖個体の捕獲と遺伝サンプル(血液・口腔内粘膜・脱落羽毛)の採集を行った。これらのサンプルのうち,トカラ列島で採集した4集団の84サンプルについてコントロール領域の全領域1226塩基の配列を決定した。トカラ列島の中では14の遺伝子型が認められたが、集団間の遺伝的分化係数は小さく(Φ_<ST>=0.02-0.26)、アカヒゲの場合にも同一島嶼群内では集団間で高いレベルの遺伝的交流が保たれていることが示された。また,これらの成果の一部をとりまとめ、論文・学会での発表を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Phylogeography of the Ryukyu robin (Erithacus komadori) : population subdivision in land-bridge islands in relation to the shift in-migratory habit.2007

    • 著者名/発表者名
      Shin-Ichi Seki
    • 雑誌名

      Molecular Ecology 16

      ページ: 101-113

  • [雑誌論文] The origin of the East Asian Erithacus robin, Erithacus komadori, inferred from cytochrome b sequence data.2006

    • 著者名/発表者名
      Shin-Ichi Seki
    • 雑誌名

      Molecular Phylogenetics and Evolution 39

      ページ: 899-905

  • [雑誌論文] The genetic structure of the Ryukyu Robin, an island endemic in East Asia.2006

    • 著者名/発表者名
      Shin-Ichi Seki
    • 雑誌名

      Journal of Ornithology 147 Supp. 1

      ページ: 250

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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