• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

超臨界水処理を用いた木材からのバイオエタノール生産

研究課題

研究課題/領域番号 17780139
研究機関京都大学

研究代表者

宮藤 久士  京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (00293928)

キーワード再生可能エネルギー / バイオマス / 超臨界水 / 酵素反応 / エタノール発酵 / 木材
研究概要

ブナ木粉に対して加圧熱水処理や超臨界水処理を行い、各種糖類が可溶化した水可溶部を得た。高速液体クロマトグラフ分析の結果、グルコース、フルクトース、キシロースなどの単糖が得られていることが明らかとなった。また、糖の過分解物である5-ヒドロキシメチルフルフラールやフルフラールなどのフラン化合物およびシリンガアルデヒドやバニリンといったリグニン由来のフェノール性化合物も水可溶部中に含まれていることが明らかとなった。
このような水可溶部に対して、Saccharomyces serevisiae、Pachysolen tannophilus、Candida shehatae、Pichia stipitisの各種酵母を用いてエタノール発酵を行った結果、いずれの酵母においても発酵は進まず、エタノールは生成しなかった。これは、上記のフラン化合物やフェノール性化合物が発酵阻害物質として働いたためであると考えられた。そこで、木質炭化物を用いた発酵阻害物の吸着・除去処理を行ったところ、水可溶部の発酵性は改善されエタノールが生成し得ることが明らかとなった。最もエタノール収率が高かったのはS.serevisiaeであり、キシロースは発酵できないものの、資化しうる単糖はほとんど全てエタノールに変換された。一方、P.tannophilus、C.shehatae、P.stipitisは、キシロースを発酵し得るものの発酵効率が悪く、S.serevisiaeに比べエタノール収率は低かった。
そこで、S.serevisiaeとP.tannophilusの混合系でのエタノール発酵を試みた結果、水可溶部に含まれるほとんど全ての単糖がほぼ定量的にエタノールへと変換されることが分かった。これらの結果は、木材からの高効率なエタノール生産プロセス構築への足がかりとなる成果である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 古くて新しい木炭のゆくえ-エネルギー・環境浄化材料への応用-2006

    • 著者名/発表者名
      宮藤久士
    • 雑誌名

      材料 (印刷中)

  • [図書] Materials, Chemicals and Energy from Forest Biomass2006

    • 著者名/発表者名
      Shiro Saka
    • 出版者
      American Chemical Society(印刷中)

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi