| 研究概要 |
前年度、木材腐朽菌のうち、主に住宅などの腐朽に見られる家屋腐朽菌からSerpula lacrymans, Coniophora puteana, Gloeophyllum sepiarium, G.trabeum, Trametes versicolorについて、それぞれの種を検出するためのプライマーを開発した。今回はこの開発されたプライマーを用いた担子菌検出および同定法を確認するために、近縁種を集めてそのなかにおけるプライマーの特異性を確認した。また定量的PCRを行い、ターゲットであるDNA断片の量的評価を行うことを検討した。また、多種のゲノムが混合された条件から種に得意的なプライマーを使ったPCRによって目的のDNA断片を量的に検出することを確認した。
これら開発されたプライマーを用いた担子菌の検出法を環境中より得た試料に対しての応用を検討するため、環境中により腐朽材を採取し、その中に生息する担子菌を単離した。その結果10株前後の担子菌を単離することが出来、継代培養により純粋培養であることを確認した。これらの株よりDNAを抽出し、rDNAのITS領域の配列を決定した。この配列情報に基づき既存データベース中の検索によって、種を同定した。また、環境中の試料から効率よくDNAを抽出する方法を検討した。その結果、物理的、科学的方法を組み合わせた方法が最も効果的にDNAを抽出できることが分かった。
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