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2006 年度 実績報告書

海洋無脊椎動物海藻多糖分解酵素の昆虫細胞系による発現生産

研究課題

研究課題/領域番号 17780164
研究機関北海道大学

研究代表者

井上 晶  北海道大学, 大学院水産科学研究院, 助教授 (70396307)

キーワードアルギン酸 / アルギン酸リアーゼ / セルラーゼ / 組み換え酵素 / プロトプラスト / 褐藻類 / マコンブ / アワビ
研究概要

本研究では、申請者らのグループによりクローン化されたエゾアワビ・アルギン酸リアーゼ(HdAly)および同セルラーゼ(HdEG66)をコードするcDNAを用いて、組み換えバキュロウィルスを調製し、昆虫細胞Sf9に感染後、組み換え酵素を分泌発現させた。精製組み換え酵素は、SDS-PAGE上で、ほぼ単一のバンドとして検出された。組み換えHdAlyの性状解析を行った結果、至適温度および同pHは、天然のHdAlyと同等であったが、熱安定性は天然のものと比べて約5℃低かった。これは、組み換えHdAlyの糖鎖修飾が天然のものと異なっているためと考えられた。また、組み換えHdEG66の性状を調べた結果、比活性は天然のものとほぼ同じ値をもつことが明らかになり、至適温度、同pH、および熱安定性も天然のものと同等であった。
組み換え酵素およびセルラーゼオノズカを用いて、マコンブのプロトプラスト化能を検討した結果、組み換えHdAly 150 U/mlとセルラーゼオノズカ 5 U/mlを加えて藻体を人工海水中で3時間、17℃で処理したときにプロトプラスト作出能が最大(2x10^7 cells/g fresh weight)となった。一方、セルラーゼオノズカを同活性の組み換えHdEG66に置換した場合には、プロトプラストは観察されなかった。組み換えHdEG66を最大100 U/mlとなるように加えた場合でも同様であった。これらの結果は、組み換えHdAlyはセルラーゼオノズカと混合使用することにより、マコンブからプロトプラストの調製は可能であるが、組み換えHdEG66はプロトプラストの調製には適さないことを示唆している。また、上記のプロトプラスト作出条件は、ワカメおよびチガイソにも適用可能であったことから、本法は褐藻類のプロトプラスト調製において汎用性が高いと考えられた。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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