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2005 年度 実績報告書

深海に生息する環形動物サツマハオリムシレクチンのクローニングと共生への関与の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17780167
研究機関北里大学

研究代表者

神保 充  北里大学, 水産学部, 講師 (10291650)

キーワードレクチン / ハオリムシ / グルコース結合性 / カルシウム要求性 / 深海生物 / ラムノース結合性
研究概要

レクチンは糖結合性のタンパク質で様々な生物から報告されており、異物認識や生体防御、共生への関与など様々な生理作用を持っている。熱水噴出口の近くにすむ生物の一つハオリムシはゴカイと近縁の生物であるが、消化管が退化しており、栄養は共生させている硫黄酸化細菌によりまかなわれている。この場合、従って、この共生関係はハオリムシの生存に取って重要である。我々は、サツマハオリムシLamellibrachia satsumaの血液に凝集活性が存在することを見いだしたので、このレクチンの精製および性状解析を行った。L.satsuma血液の凝集活性について条件検討を行った結果、ヒト赤血球を用いて10mMカルシウムイオン存在下で4℃で反応させると凝集活性が最も強く観察された。血液に含まれる凝集活性はセファデックスG-50に吸着し、D-グルコースにより溶出された。得られた溶出画分についてSDS-PAGEを行ったところ、還元条件下では、分子量23,000に単一のバンドがみられたことから、ハオリムシレクチンLSLが精製できたことがわかった。精製LSLを用いてより詳細に糖阻害試験を行ったところ、D-グルコース、L-ラムノース、メリビオース、ラクトースによって凝集活性が阻害された。これらの糖はグラム陰性細菌の細胞壁表面に存在するリポ多糖の糖鎖に含まれていることから、このレクチンは生体防御や共生などに関与している可能性がある。このタンパク質についてN末端配列分析を行ったが、どのサイクルでもアミノ酸のピークがみられず、ブロモシアン分解では分解物を得ることができなかった。今後、トリプシン等のプロテアーゼで分解した後、内部アミノ酸配列を決定することを検討する必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Cloning and characterization of a lectin from the octocoral Sinularia lochmodes.2005

    • 著者名/発表者名
      Jimbo M, Koike K, Sakai R, Muramoto K, Kamiya H
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun. 330

      ページ: 157-162

  • [雑誌論文] Structure and possible function of N-glycans of an invertebrate C-type lectin from the acorn barnacle Megabalanus rosa.2005

    • 著者名/発表者名
      Matsubara H, Kabuto S, Nakahara N, Ogawa T, Muramoto K, Jimbo M, Kamiya H.
    • 雑誌名

      Fish.Sci. 71

      ページ: 931-940

  • [雑誌論文] Cellular and subcellular localization of kainic acid in the marine red alga Digenea simplex.2005

    • 著者名/発表者名
      Sakai R, Minato S, Koike K, Jimbo M, Kamiya H.
    • 雑誌名

      Cell Tissue Res. 322

      ページ: 491-502

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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