研究概要 |
本研究の課題は,地産地消産品に対する地域の消費者の選好を定性的,定量的に把握し,地産地消産品のマーケティング戦略を立案することである. そこで本年は,第1に地産地消産品の取り扱い先として有望な道の駅でのマーケティング調査を実施した.道の駅は地域の物的・人的交流拠点として重要であり,また,マーケティングコンセプトとして,地域特性を付加したものが多い.このとき,このマーケティングコンセプトと地産地消産品との親和性が高いのではないかという点に着目した.分析の結果,道の駅に求められている機能は休憩,食事,販売,直売所の順であり,食事,直売所では,地産地消産品の需要が高かった.また,女性,訪問頻度が高い,滞在時間が長いほど,直売所を利用する傾向が強く,直売所の利用層ほど,道の駅に便利さや快適さを求めず,楽しさを求める傾向にあることがわかった.一方,マーケティングコンセプトとしては,食の充実の評価が高かったものの,地域性の評価は高くなかった.したがって,地産地消産品を中心とした食等の楽しみというマーケティングコンセプトが得られたものの,地域性といったマーケティングコンセプトとは相乗関係にはなかった. 食の安全性は地産地消産品にとって重要なファクターである.そこで第2に,不確実性を確率的に捉えてDEMATELを拡張した確率的DEMATELを用いて,食の安全性に対する消費者意識をモデル化した.
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