研究概要 |
流域水質管理に向けたエージェントベースモデルの構築について,代表流域として日本の霞ヶ浦流域,ラオス国ビエンチャン地域,インドネシアジャワ島のチアンジュール流域の3地区において,地域開発による水需要の増加と食糧生産,および環境への影響について水資源の観点からデータを収集した. 具体的には以下の研究を行った. 1)流域水質管理モデルに向けたシステムダイナミクスモデルの開発 システムダイナミクスモデルをエージェント内の主要構成モデルとして採用する考えでいるため,地域の人口,土地利用変動をモデル化する際に考慮する要件を特定し,マクロレベルでのモデルを構築した.次に,このモデルを,流域内のメッシュに埋め込む作業を行う予定である 2)流域水質管理に向けた汚濁源の変化に関する時系列データおよびGISデータの収集 上記のメッシュ化のため,GISを用いてデータベース構築作業を行った。特に,ラオス,インドネシア国での地図をGISで利用できる形態にした.これらを今後メッシュ化する予定である. 3)汚濁源からの水質流出機構の把握に向けた水質データの収集および流達率に関する流出モデルの開発 流域水質管理のためには水質予測モデルがエージェントベースモデルと統合される必要がある.そこで,流域の水質調査および流達負荷の調査を行い,負荷の流達率についてモデルを構築した.上記のGISデータを利用し,汚濁源から流達点までの距離計算からモデルを構築した. 以上の観測,およびモデル構築からエージェントベースモデルの下地ができた.
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