研究概要 |
過去の科研で製作した高速その場反転プラウの強度補強を行い,新たにディスクコールタを大きくして設計製作した。この結果ディスク径が小さい場合に比べ,土れきとの相対運動が減少したために,ディスクコールタと発土板の両方が作用する部分での反転状態が安定した。粘質土よりも破砕を起こしやすい砂質土にて実験中で,一応安定したその場反転を得ている。ワーゲニンゲン大学で共同開発した三角その場反転プラウと同様の試作機は,同様にディスクを大きくして現在組立・試運転段階である。ディスク径が大きくなった分,土壌への貫入に若干の問題を残しており,ディスクの取り付け角を微妙に調整するなどの対応の必要がみられる。雑草種子動態のシミュレーションについては,基本モデルができており,パラメータの供給が必要となっている。ただし以上のような実験機の開発状況から,そのパラメータ推定のための実験機を用いたマーカー埋め込みによる本格的な圃場実験は18年度からとなった。 一方,発生する雑草数を定量的に把握するための調査を開始した。数年間休耕した畑地にて,雑草発生が始まる直前に表面を刈り払い,各種耕うん作業を行い,春先にかけて発生してくる2葉齢程度の雑草の幼芽を計数する準備を進めている。将来的に圃場全体をハイパースペクトルカメラによる雑草種を判定するための準備段階として,今年度購入した携帯型の分光計で雑草の幼芽および成体の反射分光特性を現場測定するため,機器の測定条件設定と測定を繰り返して雑草のスペクトル測定のための最適調整を行っている。
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