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2005 年度 実績報告書

下顎腺EGFを介した腎臓の性差発現メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 17780220
研究機関鹿児島大学

研究代表者

矢吹 映  鹿児島大学, 農学部, 助手 (10315400)

キーワード腎臓 / 下顎腺 / 性差 / EGF / マウス / 形態 / テストステロン / エスオラジオール
研究概要

【目的】マウスの腎臓の形態には顕著な雌雄差が存在する。本研究では,下顎腺EGFを介した腎臓の性差発現メカニズムを明らかにすることを目的とする。
【材料と方法】雌雄DBA/2Crマウスを使用し,無処置群,擬手術群,下顎腺摘出群および性腺摘出群を設定した。腎臓と性腺の形態は,光顕,電顕,形態計側学的および免疫組織化学的に精査した。また,血漿中のテストステロンおよびエストラジオール濃度をELISAにより測定した。
【結果】下顎腺摘出により,雌雄とも腎重量の減少が認められた。擬手術群にはこのような影響は認められなかった。腎臓の形態では,雌雄ともに,腎小体および近位尿細管上皮細胞の大きさが有意に減少した。また,雄の特性である糸球体包外壁の立方上皮と近位尿細管上皮の空砲構造が有意に減少し,雌の特性である近位尿細管上皮のPAS陽性顆粒も有意に減少した。この空砲構造とPAS陽性顆粒は,電顕的にはともにライソゾームと同定された。このような下顎腺摘出による形態変化は,精巣および卵巣摘出による形態変化と類似していたが,精巣および卵巣には下顎腺摘出の影響は認められず,血漿中のテストステロンおよびエストラジオール濃度にも変化はみられなかった。また,EGFレセプター,アンドロゲンレセプター,エストロゲンレセプターの免疫組織化学的検索では,下顎腺摘出による変化は認められなかった。
【考察】形態学的検索により,マウスの腎臓では,ネフロンの発達のみならず,雌雄差の発現に下顎腺機能が深く関与することが示唆された。免疫組織学的検索およびELISAの結果は,下顎腺による性腺機能の調節および腎臓のレセプター発現の調節という間接作用は示唆されず,下顎腺から放出されるEGFの直接作用が考えられた。今後,遺伝子レベルでの検索,性ホルモン投与およびEGF投与実験を遂行することで更に詳細なメカニズムを解明したい。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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