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2006 年度 実績報告書

マクロファージのLPS応答における翻訳調整の役割と分子メカニズムの網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17780223
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

北村 浩  独立行政法人理化学研究所, 免疫ゲノミクス研究グループ, 上級研究員 (80312403)

キーワードマクロファージ / 翻訳調節 / 転写後調節 / マイクロアレイ / リポ多糖体 / 呼吸鎖 / 炎症
研究概要

1.LPSのミトコンドリアタンパクに対する翻訳抑制効果とその生物学的意義の解明
前年度のマイクロアレイ解析により、マウスマクロファージ様細胞株J774で300余のmRNAの中が翻訳制御を受けていることが予測されたが、本年度は、その中にミトコンドリアタンパク質のmRNAが多数含まれており、それらの多くが負に制御されていることを見出した。実際、35S-メチオニン・システインを用いたパルスラベル実験により、ミトコンドリアタンパクがLPS刺激時に翻訳抑制を受けていることを確認した。また、それらのいくつかが呼吸鎖の構成成分であったため、呼吸鎖の複合体活性を測定したところ、活性の低下と細胞内ATP量の減少が見られた。またATPの枯渇に併行してネクローシスがみられたことから、呼吸鎖構成分の翻訳抑制によるネクローシス誘導というLPSの新たな効果を明らかにした。
2.翻訳制御に関与するキナーゼの同定と分子メカニズムの解析
翻訳制御に関わるキナーゼのなかでもMAPキナーゼ群に注目し検討を行った。中でもJNKの阻害剤はLPS刺激の有無に関わらずマクロファージの翻訳活性を大きく阻害することを見出した。また阻害を受けるmRNAは多岐に及ぶことをマイクロアレイ解析で明らかにした。加えて、JNK阻害剤がAktやmTORなどの翻訳調節分子の活性に大きな影響を与えることを見出した。これらの中には4E-BP1などのRNA結合タンパク質も含まれていた。現在、JNKの直接的な分子ターゲットをプロテオームの手法を用いて調べると共に、LPS刺激後の翻訳制御に関わるキナーゼの同定も試みている。
3.膜結合ポリソームの分画法の確立
マクロファージにおける新規の膜タンパクや分泌タンパクをコードするmRNAを網羅的に同定するために膜結合ポリゾームの調製方法を確立した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Construction of quantitative proteome reference maps of mouse spleen and lymph node based on two-dimensional gel electrophoresis2006

    • 著者名/発表者名
      Kimura Y et al.
    • 雑誌名

      Proteomics 6・13

      ページ: 3833-3844

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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