研究課題
本研究では、プリオン増殖機構の核である正常型プリオン蛋白質(PrP^C)→異常型プリオン蛋白質(PrP^<Sc>)の変換機構に関与するPrP^C側の要因を解明することを主要な目的とした。これまで、内在性PrP^Cによる阻害効果が障壁となっており、プリオン増殖に必要なPrP^C領域の解析は進展していなかった。研究代表者らはごく最近、プリオン蛋白質(PrP)遺伝子欠損マウスから作製したPrP遺伝子欠損神経細胞株を用い、PrP^Cの機能部位がオクタリピート領域(OR)と疎水性領域(HR)に存在することを示し、さらに、PrP^Cが抗酸化ストレス制御能を持つことを明らかにした。さらに、同様の細胞培養系を用い、一過性PrP^<Sc>増殖に必要なPrP^C領域の同定を行った。その結果、ORが重要であることを示した。平成19年度は、PrP^<Sc>による神経細胞毒性のモデルとして知られるPrPペプチド(PrP106-126)の培地への添加により、PrP再発現PrP遺伝子欠損神経細胞株の血清除去誘導細胞死が促進されることを明らかにした。さらに、PrP再発現細胞やOR欠損PrP発現細胞では、血清除去誘導細胞死がPrP106-126添加により促進されたが、HR欠損PrP発現細胞では促進効果が見られないことが明らかとなった。これらのことから、PrP106-126の神経細胞毒性発揮には細胞側のHRの存在が必要であることが示唆された。
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