研究課題
水分散型ナノ粒子としたFmoc保護アミノ酸を用いた水中固相合成技術の開発を行った。これまでFmoc保護アミノ酸が水に難溶であるため、完全水系でのFmoc法による固相合成は検討されてこなかった。しかし、Fmoc保護アミノ酸を水に分散型ナノ粒子に加工すれば、比表面積の増大、他成分との均一に混合により、水中でも、Fmoc法による円滑な固相合成が期待できる。また、反応後のナノ粒子は遠心分離等で水から回収、再利用でき、水を循環できる方法にもつながる。そこで今回、Fmoc保護アミノ酸の水分散型ナノ粒子の調整法、及びそれらを利用した水中ペプチド固相合成法の確立を検討した。まず、Fmoc保護アミノ酸[Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Pro-OH、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-Ser(tBu)-OH及びFmoc-Tyr(tBu)-OH]の水系分散型ナノ粒子の調製を行った。Fmoc保護アミノ酸に分散添加剤としてpoly(ethylene glycol)を加え、ジルコニアビーズを用いた遊星ボールミルで水中2時間室温粉砕した。走査型電子顕微鏡の投影から得られた粒子いずれもがナノサイズであることを観察した。モデルペプチドとして7残基ペプチドdermorphin amideを選択し、水分散型ナノ粒子へと加工したFmoc保護アミノ酸を用いる水中固相合成を検討したところ、目的のdermorphin amideを収率よく得ることができた。Fmoc保護アミノ酸の水分散型ナノ粒子の調整し、それらを利用した水中固相合成法を確立することができた。
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