• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

アルツハイマー病新規アミロイド構成蛋白質CLACに関する病態生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17790050
研究機関東京大学

研究代表者

橋本 唯史  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30334337)

キーワードアルツハイマー病 / 老人斑 / アミロイドβペプチド / コラーゲン / トランスジェニックマウス / CLAC
研究概要

老人斑アミロイドを構成する新規成分CLACがアルツハイマー病発症に果たす役割、及び老人斑に蓄積するメカニズムについて検討を進めた。
まずCLAC-P遺伝子を脳神経細胞に過剰発現することにより、CLAC蛋白質を脳実質中に分泌するトランスジェニック(tg)マウスを作出した。そこで加齢と共に脳内にAβ蓄積が生じるAPPtgマウスであるTgCRND8ライン及びJ20ラインを用い、CLACtgマウスと交配しAPP/CLAC2重tgマウスを作出した。これらのマウスを用いて以下の点を明らかにした。1.APP/CLAC2重tgマウスではAD患者脳での所見と同様にAβ斑にCLACは共局在した。2.海馬領域における抗Aβ抗体陽性面積を測定したところ、同腹のAPPtgマウスに比べ、9ヶ月齢のTgCRND8ラインで約30%、12ヶ月齢のJ20ラインで約50%の減少が認められた。3.APPtgマウス脳で観察されたdiffuseな、あるいは巨大なcoreを持ったAβ斑は減少し、中小型のcoreを持ったAβ斑が増加した。4.マウス脳から抽出した2%SDS不溶・70%ギ酸可溶画分中のAβ量は同腹のAPPtgマウスと比べ変化がなかった。これらの知見はCLACがAβの蓄積に対し、その蓄積様式を決める因子である可能性を示し、今後さらに詳細な検討を行う必要がある。
またCLACは凝集したAβと特異的に結合することから、Aβの細胞毒性に及ぼすCLACの役割を、HEK293細胞を用い検討した。その結果、5.CLACはAβの細胞毒性を抑制する。6.細胞毒性抑制効果はCLACがAβと結合することによって発揮される。ことを明らかにした。これはCLACがアルツハイマー病発症に対し、抑制的に働く可能性を示すものである。
さらにCLAC-Pノックアウトマウスの作出のためマウスCLAC-P遺伝子のexon3をneomycin耐性遺伝子に置換したtargeting vectorの作出を行った。今後個体の作出にとりかかる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Major involvement of low-density lipoprotein receptor-related protein 1 in the clearance of plasma free amyloid β-peptide by the liver2006

    • 著者名/発表者名
      Tamaki C
    • 雑誌名

      Pharma Res (印刷中)

  • [雑誌論文] CLAC binds to amyloid β peptides through the positively charged amino acid cluster within the collagenous domain 1 and inhibits formation of amyloid fibrils2005

    • 著者名/発表者名
      Osada Y
    • 雑誌名

      J Biol Chem 280・9

      ページ: 8596-8605

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi