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2005 年度 実績報告書

エイコサペンタエン酸(EPA)の上皮細胞シート形成における生理的意義の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17790053
研究機関東京大学

研究代表者

井上 貴雄  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (50361605)

キーワード線虫 / リン脂質 / 高度不飽和脂肪酸 / 上皮細胞
研究概要

本研究の目的は、線虫C.elegansを用いた遺伝学的解析およびPAF-2ノックアウト動物を駆使して、エイコサペンタエン酸のような高度不飽和脂肪酸を含むリン脂質が、上皮細胞のシート形成にどのような役割を果たしているかを分子レベルで明らかにすることである。本年度は、PAF-2欠損変異体の表現型である上皮細胞の異常と高度不飽和脂肪酸の関連を明らかにするため、PAF-2と高度不飽和脂肪酸合成酵素群の遺伝学的相互作用を検討した(線虫)。また、PAF-2のノックアウトマウスを樹立し、その表現型を解析した。
1)線虫における高度不飽和脂肪酸合成酵素の変異体では高度不飽和脂肪酸が減少しており、数%の胚致死性が観察される。また、PAF-2の発現を約30%まで低下させたトランスジェニック線虫では顕著な表現型を示さない。高度不飽和脂肪酸とPAF-2の関連を調べるため、これらの変異体を交配させたところ、胚致死などの表現型が著しく増強され、約半数の個体で異常が生じることが明らかになった。上皮細胞特異的にPAF-2の発現を低下させたトランスジェニック線虫においても同様の遺伝学的相互作用が観察された。すなわち、PAF-2が上皮細胞において高度不飽和脂肪酸の代謝と密接に関与することが遺伝学的に示された。
2)PAF-2は腎臓、肝臓、腸管などの上皮細胞(極性細胞)に特に強く発現しているが、PAF-2ノックアウトマウスは通常の飼育条件下では顕著な表現型を示さなかった。そこで、LPSを用いて賢臓の上皮細胞にストレスを与えたところ、PAF-2ノックアウトマウスでは腎障害のパラメータ(BUN値)が有意に上昇し、腎障害が増悪化することがわかった。また、肝障害のパラメータ(GOT)も有意に上昇していた。現在、マウスにおける高度不飽和脂肪酸欠乏モデルも構築しており、LPSによる障害と上皮細胞、高度不飽和脂肪酸の関連について検討している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] New approaches to functional elucidation of unknown genes related to lipid metabolism : combination of mutational approaches using C.elegans and metabolite analyses using mass spectrometry (Review)2005

    • 著者名/発表者名
      Takao Inoue
    • 雑誌名

      実験医学 23

      ページ: 977-985

  • [雑誌論文] MBR-1, a novel helix-turn-helix transcription factor, is required for pruning excessive neurites in Caenorhabditis elegans2005

    • 著者名/発表者名
      Eriko Kage
    • 雑誌名

      Current biology 15

      ページ: 1554-1559

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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