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2005 年度 実績報告書

ヒトCYP2C分子種の発現調節機構の差異および個人差に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17790112
研究機関千葉大学

研究代表者

小林 カオル  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (30255864)

キーワードCYP2C9 / CYP2C19 / ヒト肝 / mRNA / 転写 / プロモーター
研究概要

本研究では、CYP2C9とCYP2C19の発現調節機構を比較検討することにより、CYP2C分子種の発現量に個人差を生じる要因となる因子を同定し、その調節因子とCYP2C分子種発現量の個人差との関連性について明らかにすることを目的とした。平成17年度は、ヒト肝組織中のmRNA量をリアルタイムPCR法で定量することにより、ヒト肝におけるCYP2C9とCYP2C19のmRNA発現量を比較した。その結果、日本人肝31検体においては、CYP2C9およびCYP2C19 mRNA量にはそれぞれ4.6倍および63倍の個人差が認められ、CYP2C9はCYP2C19の平均37倍高いmRNA発現量を示した(1.6-229倍)。次に、CYP2C9およびCYP2C19遺伝子の5'上流約400bpについてレポータージーンアッセイを行った。その結果、CYP2C9とCYP2C19遺伝子の-340bp付近に存在する2塩基の違いが両分子種の発現量の差異に関与することが示唆された。この領域へのC/EBPの結合が推定されたが、C/EBPを共発現させたレポータージーンアッセイの結果は転写活性に影響を与えたものの、2塩基の違いに起因する変化ではなかった。そこで、CYP2C9とCYP2C19遺伝子の-340bp付近に存在する2塩基の違いを含む領域をプローブとしてゲルシフトアッセイをおこなったところ、CYP2C19に対するOct-1の結合が示唆された。このことから、Oct-1がCYP2C19の発現において抑制的に作用している可能性が考えられた。以上より、日本人肝におけるCYP2C9とCYP2C19の発現量はmRNAレベルでCYP2C9の方がCYP2C19よりも高いことが示された。また、両遺伝子の発現調節の差異の一つとしてOct-1による転写抑制の可能性が考えられた。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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