近年、片頭痛治療薬としてセロトニン1Bおよび1D受容体の選択的アゴニストであるトリプタン系薬剤が開発され、その高い有効性から第一選択薬としての地位を確立しつつある。しかしながら、いずれのトリプタン系薬剤にも片頭痛の改善が認められない患者が30%程度存在することが知られている。本研究ではその原因としてセロトニン1Bおよび1D受容体の遺伝的多型が関与していると考え、現在報告されているセロトニン受容体遺伝子多型の中で、アミノ酸変異を伴うもの(セロトニン1B受容体4種、1D受容体1種)に関してin vitro発現系を用いた機能解析、すなわち各種トリプタン系薬剤に対する感受性の解析を試みる。 すでに野生型、変異型合計7種類のcDNAのクローニングは終了し、真核細胞用の発現ベクターへのサブクローニングも完了している。現在は哺乳類由来の培養細胞であるCHOK1細胞およびHEK293細胞に遺伝子導入し、セロトニン受容体の安定発現細胞株の構築を行っているところである。
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