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2006 年度 実績報告書

薬物投与によるトランスポーター機能変化の定量的解析および機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 17790130
研究機関千葉大学

研究代表者

設楽 悦久  千葉大学, 大学院薬学研究院, 講師 (00306656)

キーワードトランスポーター / 非可逆的阻害 / 薬物間相互作用 / シクロスポリン / BSP
研究概要

ラットにおいて、有機アニオンの一種であるスルホブロモフタレン(BSP)の肝取り込みに対して、免疫抑制薬シクロスポリン(CsA)が非可逆的に阻害することを既に明らかにしている。この現象について、昨年までの検討によって、Vmaxの低下によって生じていることを明らかにしていたが、さらに例数を追加した検討を行ったところ、Vmaxの変化ではなく、むしろKmの変化に大きく依存していることが明らかとなった。
また、OATPファミリーに属する各種有機アニオントランスポーターのmRNA発現量に変化が見られないことを既に明らかにしていたが細胞膜分画を単離して、これらの発現量をWestern blot法により解したところ、これにも変化が見られなかった。しかしながら、ここで得られた膜分画が必ずしも膜のみを純粋に単離しているとは言い切れないことから、このことによって膜上におけるトランスポーター発現量が変化しなかったという結論は得られないものと考えている。今後、さらなる検討を行いたい。
培養肝細胞において、あらかじめCsAを添加した条件で、BSP取り込み実験を行ったところ、取り込み機能の低下が認められ、この現象がin vivoだけでなく、培養肝細胞の系でも再現できることが明らかとなった。このことから、培養肝細胞もまた、実験系として用いることができることが明らかとなった。培養肝細胞および遊離肝細胞を用いて、トランスポーターにしてCsAが非可逆的に結合している可能性を考え、放射標識CsAを用いたbinding assayを行ったが、放射活性が低すぎたために、この現象を観察することはできなかった。
一方、ラットin vivoにおけるliver uptake index法により、肝取り込み機能を評価したところ、CsA投与から約3日後までは取り込み機能の低下が継続しており、約5日後には回復傾向が見られることが示された。このことについては、さらに例数を追加したいと考えている。
以上のように、肝取り込みトランスポーターに対する非可逆的阻害が起きていることを確認したものの、そのメカニズムを解明することはできておらず、今後の課題となっている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Down-regulation of hepatic transporters for BSP in rats with indomethacin-induced intestinal injury.2007

    • 著者名/発表者名
      Fujiyama N, Shitara Y, Ito K, Masubuchi Y, Horie T
    • 雑誌名

      Biol. Pharm. Bull. 30 (3)

      ページ: 556-561

  • [雑誌論文] Pharmacokinetic and pharmacodynamic alterations of 3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A (HMG-CoA) reductase inhibitors : drug-drug interactions and interindividual differences in transporter and metabolic enzyme functions.2006

    • 著者名/発表者名
      Shitara Y, Sugiyama Y
    • 雑誌名

      Pharmacol. Ther. 112 (1)

      ページ: 71-105

  • [雑誌論文] Vectorial transport of enalapril by Oatpla1/Mrp2 and OATP1B1 and OATP1B3/MRP2 in rat and human livers.2006

    • 著者名/発表者名
      Liu L, Cui Y, Chung AY, Shitara Y, Sugiyama Y, Keppler D, Pang KS
    • 雑誌名

      J. Pharmacol. Exp. Ther. 318 (1)

      ページ: 395-402

  • [雑誌論文] Abstract Drug-drug interaction between pitavastatin and various drugs via OATP1B1.2006

    • 著者名/発表者名
      Hirano M, Maeda K, Shitara Y, Sugiyama Y
    • 雑誌名

      Drug Metab. Dispos. 34 (7)

      ページ: 1229-1236

  • [雑誌論文] Transporters as a determinant of drug clearance and tissue distribution.2006

    • 著者名/発表者名
      Shitara Y, Horie T, Sugiyama Y
    • 雑誌名

      Eur. J. Pharm. Sci. 27 (5)

      ページ: 425-446

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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