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2007 年度 実績報告書

薬物投与によるトランスポーター機能変化の定量的解析および機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 17790130
研究機関千葉大学

研究代表者

設楽 悦久  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (00306656)

キーワードトランスポーター / 薬物間相互作用 / シクロスポリン / 阻害機序解明 / OATP1B1 / OATP1B3 / Oatp1a1
研究概要

これまでにシクロスポリンによる有機アニオントランスポーターに対する阻害効果が単なる競合阻害ではなく、阻害剤に曝露することによって、阻害剤除去後も持続的に見られるものであることを見出してきた。この機序を解明するために、シクロスポリン投与後のラットより遊離肝細胞を調製し、細胞表面をビオチン化したのちに、ビオチン化を受けた蛋白を回収し、そこでのトランスポーターOatp1a1発現量を解析することで、細胞表面での発現量の変化について検討を行った。しかしながら、発現量が低いため、十分量の回収をすることができなかった。同様に、培養肝細胞にシクロスポリンを曝露した後、細胞表面のOatp1a1発現量の解析などを試みたものの、結果が得られなかった。
一方で、トランスポーター活性に影響を与えると考えられている肝組織中グルタチオン量を測定したところ、シクロスポリン投与による変化は見られなかった。このことから、肝臓内グルタチオン量の変化による現象ではないことが明らかとなった。また、阻害剤がトランスポーターに共有結合している可能性を考慮し、トリチウム標識シクロスポリンをOatp1a1発現細胞およびベクター導入細胞に曝露した後、膜表面を有機溶媒でwashした後で、結合しているシクロスポリン量を測定したものの、結合量に差は見られなかった。
ヒトでの有機アニオントランスポーターOATP1B1およびOATP1B3発現細胞の供与を受け、シクロスポリン曝露によるトランスポーター活性の低下を検討したところ、曝露時間および濃度依存的な阻害効果が認められた。ラットOatp1a1発現細胞を構築し、同様の検討を行ったところ、ここでも同様の結果が得られた。
以上より、シクロスポリンによる曝露時間および濃度依存的なOATPファミリートランスポーターに対する阻害が明らかとなったものの、機序を解明するには至らなかった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2007 その他

すべて 学会発表 (5件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] シクロスポリンAによる肝取り込みトランスポーターの非可逆的阻害2007

    • 著者名/発表者名
      永松佳子
    • 学会等名
      トランスポーター研究会 第1回関東部会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      20071200
  • [学会発表] 薬物による肝トランスポーターの非可逆的阻害2007

    • 著者名/発表者名
      設楽悦久
    • 学会等名
      第29回日本中毒学会総会・学術集会
    • 発表場所
      東京都品川区
    • 年月日
      20070700
  • [学会発表] Inhibition of BSP transport by cyclosporin A in rat hepatocytes2007

    • 著者名/発表者名
      設楽悦久
    • 学会等名
      4th World congress on drug absorption, transport and delivery
    • 発表場所
      石川県金沢市
    • 年月日
      20070600
  • [学会発表] Cyclosporin Aによるトランスポーターレベルでの薬物間相互作用の機序解析2007

    • 著者名/発表者名
      設楽悦久
    • 学会等名
      第22回日本薬剤学会年会
    • 発表場所
      埼玉県さいたま市
    • 年月日
      20070500
  • [学会発表] トランスポーターを介する薬物相互作用評価法2007

    • 著者名/発表者名
      設楽悦久
    • 学会等名
      第21回日本薬物動態学会ワークショップ
    • 発表場所
      東京都品川区
    • 年月日
      20070400
  • [図書] 遺伝子医学MOOK7号 最新創薬学2007-薬物動態特性の解析は創薬のキーワード-(杉山雄一 編)第2章2-(5)輸送における薬物間相互作用pp.155-1622007

    • 著者名/発表者名
      設楽悦久
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      メディカルドゥ社
  • [図書] Drug-drug interactions in pharmaceutical development (ed.Albert P.Li) 6 Transporters and drug interactions pp. 131-1572007

    • 著者名/発表者名
      Yoshihisa Shitara,
    • 総ページ数
      26
    • 出版者
      John Wiley and Sons
  • [備考]

    • URL

      http://www.p.chiba-u.ac.jp/lab/yakuzai/index.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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