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2006 年度 実績報告書

分岐を伴う管構造の形成における足場蛋白質DLGの機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17790147
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

向後 晶子  藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20340242)

キーワードDLG / 神経堤 / 発生 / 心臓 / 腸管
研究概要

昨年度までに、DLG遺伝子ノックアウトマウスにおいて、腎臓、尿管、ミュラー管、ウォルフ管の形態形成異常が生じることを示してきた。本年度は、DLGの細胞内機能を検証するための手掛かりを得るため、DLGノックアウトマウスの発生をさらに詳細に解析した。その結果、出生直前のホモタイプDLGノックアウトマウスで、以下の発生異常を見出した。
1.心臓および心臓流出路の重篤な奇形。
胎生18.5日のDLGノックアウトマウス胎仔心臓のパラフィン連続切片を作製し、パソコン上でHE染色画像を立体構築することにより、心臓の形態と両大血管の走行を検証したところ、心室中隔欠損、両大血管右室起始、総動脈幹遺残、大動脈弓狭窄等の心奇形が見出された。これらの異常は、腎泌尿生殖器における形態異常の発症頻度よりも高く、例えば心室中隔欠損については、これまでに解析したすべてのホモタイプマウスに必発していた。心臓および心臓流出路における形態異常と、やはりホモタイプマウスで必発である二次口蓋裂とは、いずれも神経堤の発生が阻害された場合に見られる発生異常であり、このことから、DLGノックアウトマウスでは、神経堤由来の細胞の発生に異常が生じていることが示唆された。
2.消化管の極端な短小化。
胎生18.5日のDLGノックアウトマウスを用いた解析では、小腸、大腸あわせた長さが野生型マウスのほぼ50%程度であった。腸管に分布する腸管神経叢は、神経堤細胞に由来し、神経堤細胞の遊走が阻害されると腸管神経網が腸管遠位部で欠失してヒルシュスプルング病を発症することが知られている。DLGノックアウトマウスで、もしも神経堤細胞の発生異常が心臓神経堤にとどまらず、体幹神経堤にも及ぶものであれば、腸管神経叢の発達にも異常が生じ、このことが腸管の短小化に寄与しているのではないかと考え、腸管神経叢の発達過程を可視化する手法を確立した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Abnormal development of urogenital organs in DIghl-deficient mice.

    • 著者名/発表者名
      Akiko lizuka-Kogo, Takefumi Ishidao, Tetsu Akiyama, Takao Senda
    • 雑誌名

      Development (in press)

  • [雑誌論文] Adenomatous polyposis coli plays multiple roles in the intestinal and colorectal epithelia.

    • 著者名/発表者名
      Takao Senda, Akiko Iizuka-Kogo, Takanori Onouchi, Atsushi Shimomura
    • 雑誌名

      Medical Molecular Morphology (in press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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