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2007 年度 実績報告書

パラセリン-1によるタイトジャンクション新規マグネシウム再吸収機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17790153
研究機関静岡県立大学

研究代表者

五十里 彰  静岡県立大学, 薬学部, 講師 (50315850)

キーワードマグネシウム / タイトジャンクション / パラセリン-1 / 高血圧 / 腎臓 / 蛍光免疫染色 / 多価カチオン感受性受容体 / リン酸化
研究概要

パラセリン-1は腎臓のヘンレ上行脚に特異的に発現しており,傍細胞マグネシウム輸送を担うと示唆され大変注目されているタンパク質であるが,その発現と機能の調節機構は解明されていない。今年度は,変異型パラセリン-1の機能解析と,ホルモンによる発現調節機構について検討した。
パラセリン-1に蛍光タンパク質EGFPを付加して線維芽細胞に発現させたところ,細胞の隣接部位に発現せず,細胞質に分布した。そのため傍細胞マグネシウム輸送を観察することができなかった。現在,別のタグタンパク質の付加,およびクローディン-3発現細胞で,パラセリン-1の発現細胞を作成中である。さらに,変異型パラセリン-1の発現細胞を構築中である。
ヒト胎児由来のHEK293細胞にパラセリン-1は恒常的に発現する。マグネシウム再吸収の調節に関与すると報告されているエストラジオール,ビタミンD,甲状腺ホルモンのパラセリン-1発現に対する影響をリアルタイムPCR法で検討した。予想に反して,これらのホルモン刺激によりパラセリン-1の発現量は低下した。次に、パラセリン-1のプロモーター活性を測定した。プロモーター領域約4,000bpの遺伝子をクローニングし,ルシフェラーゼアッセイを行ったところ,-2,162/-732領域に転写活性が見られた。今後,この領域のプロモーター活性に対する各種ホルモンの影響を検討する必要がある。
腎尿細管におけるマグネシウム輸送は一方向性であるが,その原因は不明であった。トランスウェルを用いたマグネシウム輸送実験で,マグネシウムは管腔側から血管側へ輸送されたが,血管側に高濃度の二価カチオンが存在するとマグネシウムの輸送が阻害された。血管側に発現する多価カチオン感受性受容体の活性化は,cAMP濃度を低下させる。そこでcAMP供与剤を処理したところ,二価カチオン存在下でもマグネシウムが輸送された。このことから,血管側にマグネシウムが蓄積すると,cAMP濃度の低下を介してパラセリン-1の発現が低下するため,マグネシウムの逆輸送は起こらないと示唆された。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Down-regulation of TRPM6-mediated magnesium influx by cyclosporinA2008

    • 著者名/発表者名
      Ikari A., et. al.
    • 雑誌名

      Naunyn-Schmiedeberg's Archives Pharmacology (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Claudin-16 is directly phosphorylated by protein kinase A independently of a vasodilator-stimulated phosphoprotein-mediated pathway2008

    • 著者名/発表者名
      Ikari A., et. al.
    • 雑誌名

      Journal of Cellular Physiology 214

      ページ: 221-229

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Activation of a polyvalent cation-sensing receptor decrease magnesium transport via claudin-162008

    • 著者名/発表者名
      Ikari A., et. al.
    • 雑誌名

      Biochimica et Biophysica Acta 1778

      ページ: 283-290

    • 査読あり
  • [学会発表] マグネシウムセンシング機構によるクローディン-16を介したマグネシウム輸送の阻害2008

    • 著者名/発表者名
      五十里 彰
    • 学会等名
      第128年会日本薬学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-03-26
  • [学会発表] マグネシウムセンシング機構によるクローディン-16を介したマグネシウム輸送の阻害2007

    • 著者名/発表者名
      澤田 隼、五十里 彰
    • 学会等名
      平成19年度日本薬学会東海支部例会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      2007-12-08
  • [学会発表] 免疫抑制剤によるTRPM6発現の阻害2007

    • 著者名/発表者名
      奥出 知明、五十里 彰
    • 学会等名
      第29回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
    • 発表場所
      宮城
    • 年月日
      2007-11-26
  • [学会発表] クローディン-16のリン酸化機構の解析2007

    • 著者名/発表者名
      五十里 彰
    • 学会等名
      第29回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
    • 発表場所
      宮城
    • 年月日
      2007-11-26
  • [学会発表] クローディン-16を介した傍細胞マグネシウム輸送に対するリン酸化の影響2007

    • 著者名/発表者名
      五十里 彰
    • 学会等名
      第27回目本マグネシウム学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-11-10
  • [学会発表] 上皮細胞の機能形態維持におけるタイトジャンクションの役割2007

    • 著者名/発表者名
      五十里 彰
    • 学会等名
      2007年度USフォーラム
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      2007-08-01
  • [備考]

    • URL

      http://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/~rinsho/J-thema/6614/menu.htm

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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