研究課題
申請者は、ヒトゲノムより新規のユビキチンリガーゼの候補遺伝子の1つを発見し、「Scrapper」と名付けた(未発表)。バイオインフォマチィクスで得られた情報から予想されるScrapper分子の特徴から、現段階では、Scrapperは神経終末に存在し、そこで神経伝達物質放出の調節に関わる分子のユビキチン化に関わるユビキチンリガーゼと想定される。本研究では、予想されるScrapper分子の特徴を実証するとともに、Scrapper分子の神経シナプスにおける機能を分子レベルで解明することを目的とする。そこで、本年度は、蛋白質Scrapperの具体的な神経終末でのターゲットを、Scrapperに結合する蛋白質の探索によって同定することを試みた。具体的には、Scrapperの過剰発現マウスの脳抽出物を用い、2次元電気泳動によってScrapper結合蛋白質の標的分子の同定を行った。過剰発現マウスにおいて、脳神経細胞でのScrapper蛋白質の過剰発現を確認することができた。Scrapperの標的分子は野生型マウスと過剰発現マウスの間で量的な変化が起こると考えられる。その結果、いくつかのスポットに変動が見られた。大半のスポットにはほとんど変動が見られず、これはScrapper過剰発現マウスの脳において主要な構成蛋白質は大きな変化がないことを意味している。現在、変動スポットの解析を行い、Scrapperの機能を解析しようとしているところである。さらには、同定したScrapperの標的分子について試験管内での再構成を試み、論文執筆を進めている。さらに、平成17年度は、学会発表として日本神経科学学会、および、Annual Meeting of the American Society for Cell Biologyにて発表を行った。
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Neuron 50
ページ: 1-15
Surf.Interface Anal. (in press)