研究概要 |
本研究は,これまでおこなってきたテレパソロジー・システムに関する研究に対し,より安価にネットワークを構築することで高い医療効果を期待するものである。地域テレ(パソ)コミュニケーション・ネットワークの中核となる中心施設/設備(以下センタースポット,CSとする)を整備し,このCSを中心として参加施設との間にネットワーク構築をはかるが,従来の高価な機器を使わず,安価な画像処理システムでの画像配信システムの構築により多くの施設が参加しやすい形を目指し,広くシステムの普及をめざそうとするものである。 (1)ローカル・テレパソコミュニケーションシステムの構築と検証 研究者の施設で既存のサーバーPCをCSとし,3台のクライアントPCとの間でローカル(部署内イントラネット)でのシステム構築をおこなった。これはセキュリティ面での検証が十分ではないため,個人情報保護等の観点から第一段階としてこのような形をとったものである。NikonのLAN型顕微鏡デジタル画像システムによる画像配信(画像へのアクセス)とNetMeetingを用いた簡易型テレビ会議システムによるディスカッションをシステムの基本とした。 (2)地域テレパソコミュニケーションシステムに向けての問題点 画像的には弱拡大画像で解像度に問題を生じる場面があり改良の余地があるが,概ね画質は許容されるものであった。最大の問題点は,画像の同期が最少で2秒間隔のため,完全なリアルタイムにはならない点であった。ナローバンド回線では回線速度に律速され問題となりにくいと思われるが,ブロードバンド回線では2秒の時間は病理医としてはストレスを感じるものであった。ファームウェア等のバージョンアップ等についてNikonと検討したい。
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